2019年02月17日

「どろろ」第五、六話 守子唄の巻

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 手塚治虫が嫉妬のあまり蘇って、正規の完結編を描き始めそうな出来。

 原作既読でだいたいの予想がついているのに、圧倒的な救いのなさに息も絶え絶えになった。まっさらな視聴者が受けた衝撃は、想像するだに恐ろしいものがある。
 さて、今回悲劇のヒロインとなったみおだが、原作では、百鬼丸がどろろと出会う前の回想場面に、わずか数ページ出演するだけの人物である。そのエピソードを上下2話にまたがる内容にふくらませたのも驚きだが、合間に今後の展開に関わる伏線を仕込むという周到さがまた憎い。
 例えば、百鬼丸を鬼神に捧げたことによって、醍醐がどんなご利益を得たのか、原作ではあまりはっきりしなかった。ところがこのアニメでは、それが具体的に示される。結果、百鬼丸が鬼神を退治するほどに、醍醐領の罪なき人々に災いが降りかかるというジレンマが予想される。百鬼丸自身がそれに気づいた時、どんな結論を出すのだろうか。

 だが今回は、みおと子供たちのことがすべてだ。鬼神から身体を取り戻す、という本来の目的を一時忘れ、彼女の夢に思いを馳せたい。
posted by Dr.K at 12:56| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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