2019年03月16日

諸星大二郎「オリオンラジオの夜」

orionradio.jpg 昔のヒット曲を起点に、縦横に想像をめぐらせた短編集。これは傑作です。「ぼくとフリオと校庭で」の頃と全く遜色がない。

 やはり自由に描いた時の諸星大二郎は最強ですね。特にまとまりやルールを決めるわけでもなく、一つ一つ、興味の赴くままに綴られているのですが、エッセイやら日常やらとは無縁。昭和の風景とラジオの曲、そして諸星作品ならではの不思議世界が三位一体となり、唯一無二の個性を放っています。
 今、唯一無二と言いましたが、諸星作品を読み慣れていると、過去の作品のあんな場面、こんな場面が何度も思い浮かびます。つまり同じモチーフが繰り返されているわけですが、ネタ切れなどとはあまり思いません。有名なバンドがいつもの曲調で新曲をリリースしてくれるような、信頼の諸星印と感じます。

 ところで、「西暦2525年」の演出で、一部の絵がモザイク処理されているのですが、アシスタントはほぼ使わないと言われている諸星先生、ついにデジタル入稿を始めたのでしょうか?
posted by Dr.K at 19:23| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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