2019年06月29日

「どろろ」第二十四話 どろろと百鬼丸

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 最終回。ここまで苛烈な戦いに身を投じてきた百鬼丸だが、思ったより希望のある結末にほっと気が抜けた。

 これを機会に、歴代「どろろ」のラスボスを振り返ってみよう。
●原作
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 ご存知の通り、マンガの連載は打ち切り。最後の魔物はで、これを倒した百鬼丸はいくつかの部位を取り戻す。しかし、まだ戻っていない体を求めて、一人旅立つというのが結末だ。
 今回のアニメでは、鵺は第二十話の敵として登場。倒しても体は戻らず、原作既読組をびっくりさせた。

●アニメ(1969)
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 旧アニメ版は、陰惨な物語が子供に不評で視聴率が稼げず、途中から改題して対象年齢を下げるなど、紆余曲折があった。しかし、最後の魔物は景光、父殺しとなるハードな結末で意地を見せた。
 今回のアニメでは、最終回のサブタイトルが「どろろと百鬼丸」。これは、旧アニメ版の改題後の名前であり、過去作へのオマージュとなっている。

●ゲーム(PS2)
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 ゲームでは、最後にどろろの中の魔物を倒すことで結末となる。これは、ゲームのスタッフが勝手に作った設定ではない。「冒険王」掲載版のときの幻の設定が元になっている。
 今回のアニメで、心まで鬼となった百鬼丸がどろろを殺すようなことがなくて本当に良かった。

●実写映画
 映画での最後の敵は景光、魔物化した姿を、中井貴一が怪演する。景光を倒した後、どろろと百鬼丸は残りの魔物を退治するために旅立ち、国の統治は多宝丸が受け継ぐ、という結末だ。
 原作でいうと「ばんもんの巻」あたりで終わっているのだが、妻夫木と柴咲が破局して共演NGになったために続編の企画が流れるという、しょぼ〜い顛末に涙を禁じ得ない。

●アニメ(2019)
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 そして、今回のアニメである。多宝丸に陸奥・兵庫という二人の従者が付き、若殿としての人物像が掘り下げられているのだが、まさか最後の部位を持つ者として立ちはだかるとは思わなかった。壮絶だ。最後の鬼神が弱いのは、彼らの印象を弱めないための演出で正解。
 原作では、多宝丸の片目が閉じられているのは、ちょっとしたデザインに過ぎなかったのだが、こんな風に活用されるとは。

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 物語は、どろろと百鬼丸が、将来再会するであろうことを暗示して終わる。半年の間、最高に楽しませてもらった。無粋を承知で言うが、百鬼丸の一人旅、どろろが農民たちと奮闘する様子、そして再開までを描いた後日談編がぜひ観たい。
posted by Dr.K at 12:43| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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