2019年10月26日

エセルとアーネスト ふたりの物語

 原作はレイモンド・ブリッグズの絵本。「スノーマン」や「風が吹くとき」で知られる作者が、両親の〈普通の人生〉を綴った物語です。以上のことを全く知らずに、映画を観てしまったんですけどね。

 まずはプロローグ、レイモンド(本人)が絵本にとりかかる姿です。実写で始まったので、映画を間違えたかと思いました(笑) そして本編、絵本のような温かみのあるアニメなのですが、これはびっくり、乗り物や背景が3DCGなのです。この画風で立体化できるとは、とかなり感心しました。
 物語は、二人の生活を、全く奇をてらうことなく淡々と描写していきます。しかし、イギリスから見た20世紀の歴史というのはなかなか新鮮。第二次世界大戦も、日本から見たものとはだいぶ違います。市民の目から見た戦争、という点でも「この世界の片隅に」と非常に近しいものを感じますね。また、日本では第二次世界大戦が最後の戦争となっていますが、イギリスでは続けて朝鮮戦争への出兵があり、平和になったわけではない、ということにもハッとさせられました。
 結末付近では、二人の老いと死を妥協のないリアルさで描いており、フィクションとして美化しない強い意志を感じました。最後に冒頭の実写に戻ってくると思っていたんですが、それもなかったのは、レイモンドの創作がまだ続くことを示しているのかもしれませんね。

映像技術 9
リアリティ 9
「片隅」類似度 9
個人的総合 7
posted by Dr.K at 10:45| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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