文化祭に向けて、ロボ研の依頼でアニメを作ることになった映像研。音響部や美術部も参加し、大プロジェクトならではのごたごたが巻き起こる。
このエピソードでは、動画担当の水崎が掘り下げられる。俳優一家に育ったお嬢様が、なぜアニメを志すようになったのか?
監督の浅草については、第1話の冒頭で幼少時が描かれ、創作の動機が明確になっていた。ところが、水崎については、技術もあり、面白がってついてきてくれてはいるものの、内なる動機がここまで不明だった。
浅草の過去は、典型的なアニメファンのものだったが、水崎の過去はそうではなかった。誰かの作ったものではなく、実物の動きをいつも観察してきたというエピソードは、一歩間違うとアニメ志望者への説教となりかねない。しかし、このアニメでは、実物とされるものもアニメで描かれているわけで、高品質な映像を見せないと説得力の全くないストーリーになってしまう。クライマックスのロケット発射シーンには、プロの意地が詰まっていた。
聞くところによると、水崎の過去は、原作にはないアニメだけのエピソードだそうだ。素晴らしい。これでこそアニメ化した価値があるというものだ。