2020年06月08日

若おかみは小学生!

 予想外の感動作として話題になったアニメ映画。児童文学が原作ということで、昭和の幼年マンガのような見た目だが、少なくとも映画に関しては全く子供専用ではない。
 おっこは交通事故で両親を亡くし、「春の屋旅館」の祖母に引き取られる。旅館には幽霊のウリ坊が住みついており、彼にそそのかされて、おっこは若おかみを目指すことになってしまう。
wakaokami.jpg
その時の変なポーズ。昭和の頃にどこかで見たような気がするが、思い出せない(笑)
 旅館での生活は楽しいばかりでは済まず、問題のある客が度々訪れ、おっこは窮地に陥る。ここで、小学生という設定が生きる。おっこがストレートにぶつかっても嘘くさくないのだ。大人には、このような直情的なやりとりはできない。また、おっこは小学生なのでここより他に居場所がない。大人だったら、別の仕事、別の場所を自ら探すという事もあるはずだ。
 特に感心したのが悲しみの表現で、両親を亡くした割には、おっこは旅館に来た時からいきなり元気だ。母を亡くしてふさぎこんでいるあかねの方が、よほど普通に見える。しかし、おっこは立ち直ったのではなく、死を受け入れていなかったのだ、ということが明らかになる。親の布団にもぐりこむ夢とも思い出ともつかないシーンに、背筋が寒くなる。ただ泣きわめくよりその悲しみはリアルで深い。
 身の回りをいろんな幽霊がうろうろしているファンタジックな世界観だが、人の心の機微については地に足の着いた描写が貫かれており、この良さが子供にもきちんと伝わればいいなと思う。

風景美 8
キャラの古さ 7
子供向け度 3
個人的総合 8


posted by Dr.K at 01:00| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: