仁が境井家に戻ると、そこには乳母の百合がいた。百合は、仁の生還を喜び、父、正の鎧を授けるのだった。
この境井家の鎧がとんでもなく強い。スキルの効果と鎧の強化を合わせると、一騎打ちで5人の敵を葬ることが可能になる。街道でエンカウントする小集団くらいなら、まさに瞬殺、一網打尽。トロフィーの八面六臂とは、よく言ったものである。
さて、このエピソードをクリアすると、百合をメインにしたサブストーリーに派生する。クリアに必須ではないのだろうが、ぜひともプレイしていただきたい名編である。
注:以下にネタバレを含む
百合は老婆だが、見事な姿勢で馬を駆って仁と同行する。その道すがら、幼い仁のこと、父親のことなど、思い出話をする。ここまでの熾烈な戦いで、半ば殺人マシーンと化していた仁が、人間性を取り戻す貴重な時間だ。
母を亡くした仁にとって、百合は母のような存在だ。仁は、もの忘れをする百合にやさしく向き合い、なぜか敵に気づかない彼女を守り、病を隠しているらしい身体を気遣う。そして明かされる、百合から正への身分を越えた特別な想い。見事な乗馬は、正が百合の想いに応えた証でもあったのだ。なんと素晴らしいドラマであることか。
サブストーリーの完成度には満足したが、もしこれをクリアせずにおれば、百合が亡くならずにいてくれるのかと思うと、なんだか心中は複雑である。