2020年09月27日

TENET テネット

 上映が済んだ館内では、観客の頭の上を?マークが飛び交うのが見えるようだった。やってくれたわクリストファー・ノーラン。「メメント」や「インセプション」に連なる難解映画が久々の登場だ。

注:以下ネタバレ含む

 これまでSF作品では、時間を操る様々な方法が登場したが、「テネット」ではそれは回転扉のような装置だ。ここを通過すると時間は逆行し、周囲の動きはすべて逆再生のように見える。また、物事の因果関係も逆転する。正常な時間(以下順行と書く)の中にいる者からは、逆行中の者は当然逆再生のように動いて見えることになる。
 回転扉を通すと、アイテムにも逆行属性が付くため、順行者が逆行銃を使う、などのトリッキーな状況も可能だ。
 逆行者が再び回転扉に入れば、その人の時間は順行に戻る。これによって、好きな過去へ移動することができるが、時間を跳躍できるわけではないので、10年さかのぼるには10年を要する。過去で順行に戻しても、余分に歳を取ることになる。

 序盤は、この仕組みが不明なまま主人公が事件に巻き込まれるため、行き当たりばったりにわけのわからない映像に付き合わされて困惑するのだが、仕組みが明かされてからは、前半の不明だった内容がどんどん解明されていくので楽しい。
 同じ時間に同一人物が複数いる、という状況は「バックトゥザフューチャー」でおなじみだが、例えば「1」の映像に「2」のマーティーが紛れることはありえない。だが「テネット」では、前半の映像に逆行者あるいは逆行して順行に戻した奴が紛れているはずだ。確認するためには複数回の視聴が必要。これはディスクが売れそうだ。
 仕組みの理解に頭を持っていかれるため、第三次世界大戦のイメージがわかないなあ、とか、登場人物の動機がイマイチわからないな、とか、物語の肝心なところをぼかされているようで釈然としない。しかし、誰も観たことがない状況を映像化してくれる新鮮さは素晴らしく、クライマックスの順行軍と逆行軍による挟撃作戦などは圧巻である。代わりに敵らしい敵がいなかったけど(笑)
 なお、私が飛び交う専門用語に耐えられたのは平沢進の功績が大きい。♪エントロピー、ネゲントロピー

 ぜひとも映画館で観ることをお勧めしたい。スケールの大きなアクション映像多数。そしてとにかく音がデカい。4DXでもないのに座席が揺れるような重低音が響く。デカいと言えば、ヒロイン役のエリザベス・デビッキ。なんと191cmらしい。作戦を指揮した鬼軍曹が、アーロン・テイラー・ジョンソンと知りびっくり。いつの間にかごついオッサンになっている。これでは「キック・アス」の続編はもう無理だな。

斬新度 10
音響  9
難解度 8
個人的総合 7

他の方のTENET評
Machinakaの日記: 絶賛評
三角締めでつかまえて: 回文ご苦労でした

posted by Dr.K at 16:53| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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