「新サクラ大戦」。PS2で「V」が出て以来、14年ぶりとなるシリーズの再起動で、大いに注目されたが評判はイマイチ。私も、過去作はすべてプレイしている古参なので、遅ればせながらやってみた。
今回は、メインとなるアドベンチャーパートについて述べる。
●3D化計画
初期からアニメ調のイラストが印象に残る「サクラ大戦」だが、実は徐々に3D化されている。セガサターンの「2」まででは、光武(メカ)のムービーが3D。ドリームキャストに移った「3」からは、戦闘パートが3D化。さらにPS2の「V」では町の移動シーンが3Dになった。
そして「新サクラ大戦」では、PS4ということもあって、アドベンチャーパートのフル3D化が企図されている。
●背景はとても良い
そんなわけで、ついに大帝国劇場が3Dになってその中を歩くことができるのだが、そのインパクトはなかなかのもの。
例えば、食堂は床が光をめっちゃ反射している。ちょっと他のゲームでは見ない効果だ。
また、舞台の床はリアルに傷ついていて、年期を感じさせる。すごく実写っぽい。
●キャラクターも悪くない
一方、キャラクターはアニメ調を装いつつ、3D化された独特のビジュアルとなっている。
止まった画像だとパッとしないが、実際にプレイすると動きがあるため意外な魅力がある。ただ、そのせいでテンポは非常に悪くなった。常にキャラが動いているので、メッセージをぽんぽん送りにくいのだ。メッセージを飛ばすとモーションも飛ぶので、つながりが悪くて絵的にみっともない。
また、このゲームはフルボイスではない。ボイスがないときもキャラは動きまくるので、なんだかバグみたいに見えるときがある。重要と思うセリフにボイスがないことも多く、取捨選択がうまく行ってないように感じる。
●カメラワークがダサい
アニメ調の画面作りを、3Dでいかに再現するか、というチャレンジは伝わったが、結果としてカメラワークが異様にダサい。中庭の絵を使った昼から夜への場面転換などは、2Dだと気にならないが3Dだと妙にくどい。「龍が如く」みたいに、実写ベースのカメラ演出の方がおそらく違和感がない。
●イラストがしょぼい
3Dのキャラで表現しづらい見せ場は、2Dアニメや2Dのイラストが入る。
特にイラストは、絵柄が違うしなんか安っぽい。フル3D化を目指した割には中途半端な感じがぬぐえない。
これまでの「サクラ大戦」は、あまり斬新なことはしないが、統一感や完成度において尋常でない高みを達成しているシリーズだ。「新サクラ大戦」はどこか寄せ集め感があってイマイチなのだ。