PS+今月のフリープレイは「コーヒートーク」。プレイしてみたら、想像したのと全然ゲームが違う。
客のオーダーに応じてコーヒーを作る、という内容は事前に知っていたので、もっとお仕事シミュレーション寄りのゲーム性かと思っていた。実際には、飲み物をアクセントにして会話劇が進むという、限りなくノベルゲームに近いものだった。
客はそれぞれにドラマを持っている。身分を越えた恋、仕事の悩み、親子のもつれ、などなど。亜人が行き交うファンタジーな設定にも関わらず、話題はとっても現実的だ。普通の人間社会として描くと、風刺が効きすぎるところを、このファンタジー性で緩和しているように感じる。また、店のカウンター以外は一切描写がなく、舞台劇を眺めるような味わいもある。
キャラの表情が、一昔前の日本のマンガのような描き方で、なんとも懐かしい。インドネシアで開発されたゲームとのことだが、日本のアニメやゲームのファンが多いお国柄が良く出ている。ゲームの舞台にシアトルを選ぶあたりに、アメリカへの無邪気な憧れが感じられ、それでいてコーヒーのメニューが東南アジアのまんまというちぐはぐさも、なんだか微笑ましいところがある。インディーゲームらしく、クリエイティブへの自己言及がそこかしこに見え隠れするのも面白い。
お気に入りのキャラは吸血鬼。どっかのマンガで見たようなイケメンだが、こういうのもBLと言うのだろうか。インドネシアのオタクも業が深いぜ。