PSストアで924円というセール価格になっていたので購入。私はかつて熱烈なドリームキャストユーザーであり、過去作はもちろんプレイ済み。「3」開発の経緯も興味深く見守っていたが、元々超大作だったものの続編を、大きな会社の後ろ盾なく作ったということで、さすがにフルプライスで買う勇気は出なかった。しかし、このセール価格なら少々不出来でも損にはなるまい。
プレイを始めて驚いた。あまりにも昔のままのシェンムーだったからだ。
まずCG。リファインされてはいるが、ドリームキャストの頃のリアル未満の造形が保たれている。次に会話。つながりがスムーズでなく、ぎこちないセリフのやり取りに終始するが、かつてのシェンムーがまさにこうだった。そしてシステム。時間の流れがあり、約束の時まで暇つぶしをしなければいけないとか、住民一人一人にスケジュールがあるとか、金策や鍛錬が必須だとか、手帳で管理される進行とか、懐かしさのオンパレード。
クラウドファンディングで開始されたので、予算は少なかったはず。ならば、かつて構想されていたストーリーをダイジェスト気味にどんどん進めていく、という物語だけのゲームになる可能性もあった。しかし、「シェンムーV」はどこまでもシェンムーを貫いた。ストーリーはさっぱり進まないが、家と村とを毎日往復しつつちまちまとミニゲームを消化する感覚は、まさに20年前と同じだ。そして、こんな感覚は他のゲームではほとんど味わっていなかったことに気付く。
今どきの忙しいゲーマーには不向きだが、できるところまで付き合っていこうと思う。