予約してあった、〈カートゥーン・サルーン ケルト3部作コレクターズBOX〉が届いたので、さっそく観ることにしました。
「ブレンダンとケルズの秘密」は、このスタジオの長編デビュー作。「ソング・オブ・ザ・シー」や「ウルフウォーカー」と比べると、特徴ある作風がどのように発展していったのかが見え、なかなか興味深いです。
ケルズの集落は、バイキングの襲撃を防ぐための高い壁に囲まれています。ブレンダン少年は、その外に出ることを禁じられています。そこへ、高名な修道士エイダンが聖なる書を持って訪れます。エイダンは書の続きを作成するため、ブレンダンに手伝いを頼みます。ブレンダンは初めて集落の外の森へ出かけ、冒険が始まります。
前半はとてもファンタジック。狼の精霊アシュリンはかわいらしく、闇の化け物は恐ろしくも幾何学的でユニーク。バイキングはほぼ人間をやめたデザインで、人格を全く感じさせない怪物としてビジュアル化されています。
しかし、〈ケルズの書〉は実在の書物。そのため、ファンタジーとはほど遠い結末が待っていました。攻めてくるバイキングに対して、この書が魔力を発揮するようなことはなく、集落は焼かれてしまいます。逃亡したブレンダンは長い年月をかけて書物を完成させますが、年老いた院長との和解という終わりは、カタルシスに乏しかったです。とはいえ、書物のビジュアルは凄まじく、伝説になるだけの説得力を伝えてくれました。
アシュリンが非常にいいキャラクターだったので、再会しなかったのが残念でした。闇に飲まれたとき、人間の姿になる力を失ってしまったのかもしれませんね。
アニメーション 7
見た目の個性 10
音楽性 7
個人的総合 5
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