10時間ほどでクリア。これは良い。アニメ映画で当たりを引いたような満足感。
心の暗部に踏み込んでゆくストーリーは、起動時に注意書きが出るだけのことはあって、かなりきつい。それを牧歌的なドット絵で描写することで、他のゲームにはない味が出ている。ドット絵の使いまわしが極端に少なく、一点ものの絵を贅沢につぎ込んだ演出は、もはや普通にイラストを描いた方が楽なんじゃないか、と思うほど。
子供たちの抱える問題は、日本でもインドネシアでも大差なく、日本のキャラじゃないから共感できない、などという事態に陥らないのも見事。
一方で、ゲーム性はかなり低く、お使い的な進行がほとんど。謎解きは場当たり的で、時として面倒だ。ミニゲームを交えた全ミッションをクリアすると、結末に少しエピソードが足されるらしいが、格闘ゲームとリフティングの難易度が凶悪で断念した。
とはいえ、ストーリーとゲームを連携させる工夫には見どころがあり、映画館は特にお気に入り。ボタンを押すとポップコーンを食べるのだが、タイミングによってはラヤと手が触れてしまうのだ。甘酸っぺぇ!
また、このゲームはネコ好きにもお勧めである。町にはネコがたくさんおり、名前をつけてなでることができるのだが、ストーリーの上でもネコが大活躍するのだ。テイトクとかショーグンとか、いくつか明らかに日本語の名前があるが、原語でもこうなのだろうか。