アカデミー賞ノミネート作ということでもともと期待されていたのに加え、上映期間中に本物のコンクラーベが始まり注目度が大幅アップ。予想外のロングランとなり、集客も好調なようだ。私も遅れて観た一人である。
教皇が急死し、首席枢機卿のローレンスがコンクラーベの開催を任される。候補者として、守旧派のテデスコ、リベラル派のベリーニ、初の黒人教皇を目指すアデイエミらが有力視される。リストになかったベニテスが新たに候補者として加わったり、トランブレが生前の教皇に解雇を言い渡された疑惑が持ち上がったりと、選挙は波乱の様相を見せ始める…
世界史の教科書でしか知らないコンクラーベ。物語の前半は、その秘密の儀式の詳細が映像化されているのが見どころとなる。歴史ある礼拝堂のロケーションが素晴らしいのだが、バチカンが撮影許可など出すはずがなく、実はセットだというのだから驚きだ。粛々と手続きが進むが、何しろ会話だけなので、正直、刺激が少なく物足りない。
ところが、物語の後半は一転して、教皇の座を争うミステリー仕立ての展開で、俄然刺激的になってくる。枢機卿たちは最上位の聖職者であるはずだが、世俗の政治家たちのように醜く足を引っ張り合う。これは、カトリックを批判しているのではなく、外の政争を風刺しているのだろう。テデスコがどんどんトランプのように見えてくる。
候補者が次々に脱落し、教皇になるつもりのなかったローレンスは、覚悟を決めて自分に票を投じようとする。以降の怒涛の展開は、エンターテインメントに振り切っており、驚いた。皆さんもぜひ結末に呆然としてほしい。
パンフレットは、ネタバレ部分が分けられている親切な作り。投票用紙が挟んであるのも粋だ。
重厚感 8
ミステリー度 8
エンタメ度 8
個人的総合 7
他の方の感想
「教皇選挙」観たよ:確かに面白すぎるのが問題
映画「教皇選挙」感想:ハンター×ハンターと比べるとは

