2025年07月12日

海がきこえる

 93年にテレビ放送用として作られた、ジブリアニメの中でも特にマイナーな作品。こんなのリバイバル上映しても、大してお客は入るまい、と思っていたら、ほぼ満席! しかも、当時を懐かしむような歳ではない、若者がけっこう集まっているではないか。

 ジブリ作品は何度観ても古びない。それは、ファンタジー世界や、過去を舞台としており、時代に関係なく物語が伝わるからである。しかし、「海がきこえる」は現代劇。その世界観は時代性をうつしていて古臭く、特に、里伽子のキャラクター性は90年代のトレンディードラマでよく見るものと言える。一方、アニメで当時の若者をリアルに描き出そうとする試みは、「君の名は」などへの萌芽のように感じられるところがあり、ただ古臭いで済まされない可能性を感じた。

 最初に観たときには、何だか煮え切らない感じの結末にがっかりしたものだが、今回は、同窓会のシーンに感じ入るものがあった。明子の見違えぶりがなんだかとってもリアル。アニメの登場人物が大人になるという描写は、なかなか珍しいのではないだろうか。単に私が歳をとっただけ、ということかもしれないが。

恋愛度 7
友情度 8
懐古度 9
個人的総合 6
posted by Dr.K at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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