人形劇「プリンプリン物語」の再放送は今が佳境。45年ぶりの視聴なので、ストーリーはほとんど憶えていないが、ルチ将軍の正体だけは忘れていない。それくらい印象が強かった。
ルチ将軍はアクタ共和国の支配者なのだが、そもそも小学生くらいの視聴者だと、〈独裁〉とは何かわかっていない可能性が高い。そこで、選挙のエピソードなどを盛り込み、〈独裁〉の実態に切り込んでいく。これが今年放送されているのは、奇跡のタイミングだ。トランプ政権の何がまずいのか、改めて気づかされた人もいるのでは。子供が観ないような時間の放送なのが残念である。
さて、ここまで「アクタ共和国編」はオリジナルの通りに放送されてきたが、第131回から、突如として複数話をまとめた編集となった。もともと、NHKに残っていなかった映像を、関係者や視聴者から集めて復元したのがこの番組、このあたりの回は不完全なのだろうか。
どうやらそういう訳ではないらしい。この部分では、ベベルとマノンがジプシーの一行に変装するのだが、このジプシーが差別用語で今は放送できないらしいのだ。二人が歌う「ジプシーの歌」も全カット。YouTubeに上がっているのを聴いてみたが、いい曲なのに残念無念。そして何より、歌詞を憶えている自分にびっくり。ストーリーは忘れても歌は忘れないものらしい。

