先日、NHKで「ゲームゲノム」の新作が3夜連続で放送された。私は、どの回も普通に楽しんだが、なんと、「モンハン」特集回がネットで大荒れしている。「モンスターハンター ワイルズ」に不満を持つプレイヤーが、鬼の首を取ったように騒いでいるようなのだ。
私は、「ワイルズ」についてどうこう言う立場にないが、これが噂に聞くエコーチェンバーか、と恐ろしくなった。批判の多くは、藤岡Dや徳田Dがモンスターの生態ばかりにこだわり、ゲームをないがしろにしている、というものだったが、それは視点がズレている。そもそも「ゲームゲノム」は、「モンハン」のプレイヤーを対象とした番組ではない。システムがどうの、武器がこうの、といった攻略に直結する内容ではプレイヤー以外の視聴者は興味を持てない。そこで、副題にもなっている「生態をとらえる」という切り口で番組を構成したのである。藤岡も徳田もNHKの取材に沿って答えたに過ぎないのだ。
また、特に批判されていたのが、ラギアクルスのくだり。徳田はテストプレイし、「水中に入った瞬間に急にちょっと手加減してる感じがしてしまう」と難じる。スタッフが「でもそこは基本 移動を覚えてもらうチュートリアルの時間なので」と弁明すると、徳田は「確かに昔のラギアこんなに怖かったかも、と感じられるような…ラギアの強さ見せましょう!」とダメ出しした。
これをもって、若手がユーザーの立場に立っているのに、上がそれをつぶしている、という論調が出てくるが、浅いにもほどがある。そもそも、チュートリアルをやめろと言っているのではないし、ラギアの強者感を損ねない形でのチュートリアルを考えればいいだけの話だ。
批判の中で無視されがちな、この言葉こそがカギだと思う。スタッフはこれまでに何本もゲームを作ってきたプロであり、当たり前のチュートリアルなら簡単に作ることができる。だが、「モンスターハンター ワイルズ」は、これまでにないリアルさで作られている。いつもの段取りでは馴染まなくなっているのだろう。
海外のAAAタイトルでは、チュートリアルがそれと気づかないほどに本編に溶け込んでいるものが良いとされる。「モンハン」もすでに世界的なタイトルであり、そのような地点を目指さなければならない。そのためのディレクションの一端がうかがえて、興味深かった。
若手の意見を聞き入れない老害、というお約束の型でしか批判できない浅薄な輩にはうんざりだ。


世界観がどうの言う割に無駄なこだわりのせいでワイルズの現状があのザマってことも理解できてない
ネットの海じゃ個人ブログですら賢ぶった言葉で被せただけの感情論は忌避されるよ
悪いことは言わないから下手な擁護をするくらいならチラ裏に留めた方がいいぞ、ワイルズの話題は。