日本ゲーム大賞は、商業的に成功したゲームを選ぶ印象があるが、その中の一部門に、ゲームデザイナーズ大賞がある。これは、桜井政博をリーダーとする審査チームが、その年の最も尖ったアイデアを表彰するというもの。「ビューファインダー」は、2024年のゲームデザイナーズ大賞に選ばれたゲームだ。
内容は、一人称の謎解きゲーム。アイテムとして写真や絵を拾い、マップ上に置くと、なんと立体化される。プログラムがどうなっているのか想像もつかないイカれたアイデアである。
写真はどこにでも置けるため、簡単簡単、と適当に操作したら、ゴールとなる転送装置を破壊してしまったり、転送装置に使用するバッテリーを消してしまったりと、滅茶苦茶なことになった。プレイ内容を巻き戻しできるので、正しい手順を試行錯誤して探そう。
最初こそインパクトがあるが、何ステージか進めると慣れてくる。しかし、慣れた頃に、そこまでの常識を覆す新ギミックが投入され、飽きずにプレイを続けることができた。レベルデザインが秀逸だ。
画像の、突然ペン画調になるギミックは、「ホグワーツ・レガシー」でも見かけた。技術的な流行りなのだろうか。
ゲームの仕組みがカオス極まりないので、ストーリーを付けるのに苦労しただろうと想像する。結果、電脳世界でエラーが起こって…というようなありふれた物語になってしまったのが惜しい。ついでに、最終ステージでそこまでのギミックを総動員するのだが、このステージだけ時間制限ルールになっているのも惜しい。
とは言え、一見の価値は大いにあるので、機会があればぜひプレイを勧めたい。ゲームデザイナーズ大賞は伊達じゃない。
2025年受賞作の「INDIKA」も、いずれプレイしようと思う。

