30周年を記念し、「エヴァ」映画のリバイバル上映が始まった。新劇場版はすべて映画館で観たので、わざわざ行くまでもないと思っていたのだが、なんとなんと、未見だった「旧劇」がラインアップされているではないか。
驚いたことに、映画館はほぼ満席。しかも、当時を懐かしむために来ているような年寄りは少なく、観客のほとんどは若者だった。なるほど、生まれていなかったような世代にとっては、これは純粋に「エヴァ」の新作に等しい。
本編の前に、鶴巻監督によるコメントが流れた。「当時は未完のままになってしまい、すみません」と、28年越しの謝罪となった。
そして始まった「シト新生」。その内容にまた驚かされた。
ここで唐突に話は飛ぶ。私は先日、テレビで放送した「劇場版Spy×Family」を見た。マンガもTVアニメも見たことがなかったが、冒頭の10分だけで設定がわかるようになっていて感心した。劇場版ともなれば、家族や友達連れで見る人も多いだろう。その中には、初見の人も含まれるはず、というマーケティングの結果としての親切さだ。
ところが「エヴァ」は正反対。前半「DEATH」パートは、TV版の振り返りなのだが、全く総集編になっていない。時系列も不規則に細切れにされている。前衛的なマッドみたいだ。TV版は皆視聴済みなので、繰り返してもつまんないでしょ、と言わんばかりの態度だ。だが不思議なことに、物語の辻褄はさっぱりわからないのに、これが「エヴァ」だという雰囲気だけは完璧に伝わっている。
シンジがチェロを持ってくるところから始まり、カヲルまでがそろって演奏を始めると、それがエンドロールになる、という編集も尖り過ぎている。観客のほとんどを占めた若者は、わざわざ30年前のTV版を観たりはしていないはず。次作のリバイバル上映にどれくらい集まるのか見ものである。
先鋭度 10
アニメーション 4
完成度 4
個人的総合 6

