入場時、特典としてミニパンフレットが配布された。充実した内容で、これではパンフレットが売れなくなってしまうのでは、と心配したがよく見たら前作の解説だった。なんという親切。
妖精が人間の軍隊に襲われる事件が起き、人間側に対妖精効果のある物質が渡ったとわかる。手引きした犯人として、人間の身でありながら、妖精会館最強の執行人であるムゲンに疑いがかかり、軟禁されてしまう。シャオヘイと姉弟子のルーイエが、真犯人を見つけるべく旅に出る。
前作は、妖精の暮らしが脅かされているとはいうものの、人間側は一般人しか出ず、妖精VS妖精の戦いのみが描かれるファンタジックな物語だった。だが、今回は人間側に近代兵器で武装したプロの軍隊が出てくるので、のっけから雰囲気が非常にシリアスだ。
ルーイエは、転送門と呼ばれる中華風ワープ装置で次々に移動、テンポよく調査を進めていく。前作はムゲンが海をわたり、鉄道やバイクで長々と移動しており、旅情のようなものがあったが今回はそれがない。オープンワールドのゲームで新作が出て、ファストトラベルが充実したら、ちっとも旅の感じが出なくなった、というのと似ている。作り手がゲーム世代なのか、他も色々ゲーム的に見えることが多い。
前回は顔見せだけだったナタが、今回はセリフも多く大活躍。とてもいいキャラになっている。ムゲンも軟禁されたままのはずはなく、最後に出陣してくれるが、あまりに強すぎて笑ってしまった。次回作でどうするとか、絶対考えてない。
前作の公開は「鬼滅の刃 無限列車編」と同じ年。このときは、中国の新興スタジオもなかなかやるもんだな、くらいの感覚だった。それから数年、「無限城編」と同じ今年に公開された「羅小黒戦記2」は、「鬼滅」越えとまでは言わないが、日本のほとんどのアニメをぶっちぎるアクションに進化していた。日本配給はAniplexだし、吹替声優は鬼滅とかぶってるし、主題歌はAimerだしで、何かと因縁のあるこの映画。次で「鬼滅」に並ぶ作品になっていてもおかしくはない。
すべての事件が解決したのち、ルーイエの凄絶な過去が、無言の回想シーンとして静かに流れる。この演出も「鬼滅」を思わせる。あいかわらず日本向きの作りで舌を巻く。
前作からの進化 10
アクション 9
旅情 4
個人的総合 8

