2019年12月24日

珍品堂が勧める2019年の映画ベスト3

 毎年の事ながら、観たい映画が年末年始に集中しますね! 「アナ雪」や「スター・ウォーズ」は、まだまだ上映が続くと思いますので、年が明けてから行こうと思います。

第3位 この世界の(さらにいくつもの)片隅に
 前作に30分ほどの映像を追加した長尺版で、原作により近くなっています。追加シーンのせいで、元のシーンのニュアンスもかなり変わって感じられるようになっており、色々と考えさせられる試みでした。詳しくは、後日レポートしたいと思います。

第2位 バジュランギおじさんと小さな迷子
 いや〜、いい映画でした。おじさんのキャラクターも面白いし、迷子の演技力も神がかっています。何一つ難しいところがない娯楽作ですが、同時に、歴史の問題、宗教の問題に鋭く切り込んでいる意欲作でもある。これだけ真っ直ぐな内容を、恥ずかしがることなく大スケールで作ることができるのが、インド映画の強みでしょう。

第1位 JOKER
 ゴッサムシティは現在のアメリカのような問題を抱え、アーサーの境遇は異様なまでにリアル。もはや、アメコミヒーローの「バットマン」の派生作品という域を超えています。嫌な予感と緊張感が全編にわたって観客に襲いかかり、精神的な消耗もかなりのもの。二度と見たくない名作です。
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2019年12月08日

劇場版コード・ブルー

 ドクターヘリの知名度を飛躍的に向上させた人気ドラマの劇場版。このたび地上波放送となったので観たが、劇場で観なくてよかった、というのが正直な感想。誤解しないでほしいが、出来が悪いからではない。

 まず、エピソードが重すぎる。確かTVドラマでは、華のあるキャストがドクターヘリで颯爽と活躍するのが見どころだったはず。ところが今回、映画ということで人間ドラマを深めたかったのか、余命わずかな花嫁とか、脳死の息子とか、悲劇がてんこ盛りになっている。今まであまり背景が掘り下げられなかった看護師も、アルコール依存の母との関係が深刻過ぎて気が滅入る。さらに、外へ出動すれば、スケールの大きくなった事故現場は緊迫感満点だ。
 こんな内容なので、劇場の環境ではメンタルが厳しそう。TV放送では、CMが入ることによって興が削がれることが多いが、この作品では適度な息抜きになってむしろ見やすいと感じた。

 3期目では、海外の医療ドラマ「ER」のように、メンバーが代替わりしつつ何期も続くのかな、と思ったものだが、劇場版は思いのほかしっかりと完結編になっていた。いい作品なので、大ヒットしたからと言って無理矢理続きを作るようなことはしないでほしい。

懐古度 7
深刻度 9
完結度 9
個人的総合 7
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2019年12月02日

珍品堂が勧める2016〜2018の映画

 振り返ってみると、2017年はやや不作だったのだな、と気づきました。

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2019年11月30日

珍品堂が勧める2013〜2015の映画

 この頃から、映画を観る本数が増えており、色々なジャンルで名作に触れることができました。

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2019年11月27日

珍品堂が勧める2010〜2012の映画

 当ブログでは、年末にゲームやドラマ、そしてコミックのベスト3を選出していました。しかし、最近はマンガを買うことが非常に少なくなってしまいました。よって、コミックのベスト3を廃止します
 代わって、映画を観る本数が増えてきたので、映画のベスト3を始めようと思います。そうなると、昨年までに観た映画ではどうだったのか、気になってきました。幸い〈映画一刀両断〉は前から書いているので、10年ほど遡ってまとめてみます。

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2019年11月05日

イエスタデイ

 同僚にすすめられて観たのだが、こりゃ面白いに決まってるわ。脚本のリチャード・カーティスの持ち味が強く出ている。
 リチャード・カーティスと言えば、かつて「ラブ・アクチュアリー」でラブストーリーの頂点を極めた監督。しかし私は一つの疑惑を抱いた。

 主人公のジャックは、売れないミュージシャン。幼馴染のエリーが献身的にマネージャーをしてくれているのも心苦しく、引退を決意する。その夜、謎の大停電で交通事故に遭ったジャック。退院すると、なぜか誰もビートルズを知らないのだった…
 もう予想がついたと思うが、ビートルズの存在しない世界で、ジャックがビートルズの曲を演奏してヒットを飛ばすことになる。転生もののラノベか、はたまた〈なろう小説〉かという出だしだが、もっとしっくりくるたとえを私は知っている。「ドラえもん」の「もしもボックス」だ。
 思えば、「アバウト・タイム」の、クローゼットにこもって時間を遡るという仕掛けも、引き出しのタイムマシンとどこやら似通っているではないか。リチャード・カーティス、実は「ドラえもん」のファンなのじゃないか

 例によってSF考証はテキトーだが、ビートルズが存在しない世界では、オアシスも存在しない。なるほど。でもローリング・ストーンズは平気というあたりも笑える。エド・シーランが本人役で出ずっぱりというのも面白いところだ。
 「イエスタデイ」は、異世界ものの一種ではあるが、時間は遡らない。つまり、ビートルズの曲が今の時代に売れるか? という問題になってくるのだが、オリジナルに忠実であろうとするジャックに、周囲が難癖をつけるのがまたおかしい。現代の音楽業界に対する風刺が効いている。

 荒唐無稽な設定から始まって、恋愛中心の物語へシフトし、多幸感のある結末へと導くカーティス節は健在。ビートルズにそんなに詳しくなくても大丈夫。「ジョーカー」でやさぐれた心を癒してくれる貴重な一本だ。

ヒロインの可愛さ 9
エド・シーランの好感度 9
主役のショボさ 8
個人的総合 8
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2019年11月03日

ジョーカー

 おさらいのつもりで「ダークナイト」を観てから行ったが、その必要はほとんどなかった。

 稀代の悪役、ジョーカーがいかにして誕生したのか。アメコミでは、科学薬品の溶液に落ちたというエピソードが描かれ、「ダークナイト」では、父親からの虐待によって口を割かれたと語られる。だが、この映画にはそのような劇的な場面はない。
 主人公のアーサーは、母親を介護しながら暮らす貧しい独り身で、コメディアンになる夢があるがその才はなく、発作的に笑ってしまう精神疾患に苦しんでいる。そして、オヤジ狩りに遭ったり、仕事をクビになったり、酔った会社員に因縁をつけられたり、自分の出自を知ったりすることで、どんどん追い詰められていく。
 一つ一つの不幸は、突飛なものではなく、誰の身にも起こりうる事だ。そのリアリティがたまらなく恐ろしい。
 そして、アーサーが一線を越えたとき、ジョーカーの姿で繰り出したとき、信奉者からの喝采を浴びたとき、そこには痛ましさと同時にカタルシスが確実にあった。観客は仮面の群衆の一人と同じ気持ちになっている。
 この映画を「気持ち悪い」「つまらない」と切り捨てる感想は全く正しい。その人はきっと、あちら側に身を置くことの危険さを本能的に察して拒否したのだと思う。

(注:以下に結末を含むネタバレあり)

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2019年10月26日

エセルとアーネスト ふたりの物語

 原作はレイモンド・ブリッグズの絵本。「スノーマン」や「風が吹くとき」で知られる作者が、両親の〈普通の人生〉を綴った物語です。以上のことを全く知らずに、映画を観てしまったんですけどね。

 まずはプロローグ、レイモンド(本人)が絵本にとりかかる姿です。実写で始まったので、映画を間違えたかと思いました(笑) そして本編、絵本のような温かみのあるアニメなのですが、これはびっくり、乗り物や背景が3DCGなのです。この画風で立体化できるとは、とかなり感心しました。
 物語は、二人の生活を、全く奇をてらうことなく淡々と描写していきます。しかし、イギリスから見た20世紀の歴史というのはなかなか新鮮。第二次世界大戦も、日本から見たものとはだいぶ違います。市民の目から見た戦争、という点でも「この世界の片隅に」と非常に近しいものを感じますね。また、日本では第二次世界大戦が最後の戦争となっていますが、イギリスでは続けて朝鮮戦争への出兵があり、平和になったわけではない、ということにもハッとさせられました。
 結末付近では、二人の老いと死を妥協のないリアルさで描いており、フィクションとして美化しない強い意志を感じました。最後に冒頭の実写に戻ってくると思っていたんですが、それもなかったのは、レイモンドの創作がまだ続くことを示しているのかもしれませんね。

映像技術 9
リアリティ 9
「片隅」類似度 9
個人的総合 7
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2019年10月13日

海よりもまだ深く

 このたびの台風で、被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

 是枝裕和監督の新作公開に合わせた、テレビ初放送。よりによって、台風の前日という設定の物語であり、臨場感が半端ない。
 阿部寛が主演ということもあり、2008年の「歩いても歩いても」と雰囲気がそっくり。さらに、樹木希林が元気だったので、同じ頃の映画かと思ったら、2016年の作品と知りびっくり。メジャー監督となってから、再びこんなのを撮れる人はそういない。
 主人公は、小説で一度は賞を獲ったものの、その後は鳴かず飛ばずの男。取材と称して興信所に勤めているが、まじめに働いているとは言い難い。別れた妻にも未練たらたらで、月に一度、息子に会うのが何よりの楽しみだが、その時に渡す養育費にも事欠くありさま。せっかくお金を得ても、競輪ですってしまうなど、とにかく情けなくどうしようもない男だ。物語は、台風によって若干の展開を見せるのだが、彼が劇的に変化することはない。こんなはずじゃなかった、という人生を母役の樹木希林が力強い諦観で包み込む。
 「そして父になる」や「海街diary」のようなハッキリした話は他の監督でも撮れるかもしれないが、このぼんやりとしてしみじみとした味わいは、他では代えがたいものがある。是枝監督には、時々でいいので、今後もこの路線の作品をお願いしたい。

生活感 10
キャスティング 10
盛り上がり 1
個人的総合 7

他の方の注目すべきレビュー: 忍之閻魔帳 モンキー的映画のススメ
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2019年10月03日

「ぼくらの七日間戦争」の予告編が嫌な感じ


 年末に公開予定のアニメ映画の予告編。
 GAGAと角川がタッグを組み、なつかしい作品を現代の設定に改めてアニメ化、声優には人気俳優を起用、と大ヒットを狙っている気配プンプンだが、いや〜、これは嫌な匂いがプンプンするぜ。
 まず、水色や白のテロップ。そして強調される入道雲。ものすごく細田守っぽい。
 そして、気合の入った風景だけのカット、疾走感のあるロックの歌。新海誠の「君の名は。」とそっくりだ。
 売れた作品の表面をなぞって一丁上がり、これは下品ですわ。「君の名は。」の次を狙ったアニメはいくつもあったけど、いずれももう少しオリジナリティがあったぞ。恥を知れ。
 こんな批判を覆すくらい、実際の中身は面白いという番狂わせに期待する。宗田理の原作は名品なんだからね。
posted by Dr.K at 23:07| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする