2020年06月24日

「未来少年コナン」08 逃亡

 コナンとラナは、バラクーダ号の上陸艇を奪って逃げる。しかし、レプカのガンボートから攻撃され、海に沈んでしまう。

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 身動きの取れないコナンに、ラナが口移しで空気を与える。忘れられない名場面だ。子供の頃は、キスシーンだ! という驚きがすべてだったが、今見ると、その前後のいかにも水中という動きが素晴らしい。ジブリが頭角を現す前触れがここに。
 陸にたどり着き、コナンがラナとの出会いを再現して見せるくだりにも感心する。子供アニメらしからぬ粋な演出だ。

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 でも、子供にとっては、コナンの怪力をもってしても一滴しか水が出ない、この果物の方が印象に残るんだけどね。細かいところまで遊び心があって全く退屈しない。お見事。
posted by Dr.K at 20:49| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月11日

「未来少年コナン」06 ダイスの反乱

 コナンはラナを連れて三角塔を飛び降りる。

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 何十年経っても鮮烈に憶えているのがこのシーン。高層ビル並みの高さを飛んで、見事着地する。人間離れしたアクションの反面、足からビリビリとしびれる妙なリアルさがあって、子供の想像力に訴えかける。
 逃亡中、コナンはギガントの格納庫にたどり着く。物語の終盤で登場する最終兵器が、早くも顔見せ。動いていなくても素晴らしいデザインだ。
 コナンとラナは捕まり、レプカに尋問される。一方ダイスは反乱を企て、ラナを奪って逃げる。一見統制のとれているように見えるインダストリアの面々が、全然一枚岩でないのが面白い。レプカは少しでも早く太陽エネルギーを獲得したい。モンスリーはコナンを仕込んで兵士にでもしようというのか。そしてダイスは、海の男としての自由を求めてラナを人質にとる。それぞれに人間臭いところがあって今後が楽しみになってくる。
posted by Dr.K at 23:27| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月03日

「未来少年コナン」05 インダストリア

 インダストリアに着いたコナンは、囚われているラナを発見する。

 ここまでたった5話。まじか。
 見た瞬間に伝わる不穏な空気がたまらない。何しろ私にとって、人生初のディストピア体験となったのが、この「コナン」のインダストリアと、「地球へ…」のアタラクシアなのだ。

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 一方、モンスリーは、場違いなほど少女趣味の恰好で登場。制服とのギャップが凄い。そして、この姿でなおも冷徹な悪役というところが最高でしびれる。宮崎駿はナチュラルにオタクを煽るから困る。そりゃダイス船長も惚れるわけである。
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2020年05月22日

「未来少年コナン」03 はじめての仲間

 コナンは海を越え、別の島を見つける。そこは無人かと思われたが…

 ジムシィとの出会いが描かれる第3話、40年以上たってもその個性は際立つ。今まで、コナンの野生児ぶりをこれでもかと見せられてきたが、ようやく出会った新キャラが、まさかもっと野生児とは。一人で生き抜いてきた人生観も独特で、本当に驚かされる。
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 そしてこの競走である。謎の並走アクションは、幼少時の私にとって大変なインパクトがあった。これぞ宮崎駿の原点にして真骨頂。あまりに印象深いため、ファンの間で〈コナン走り〉と呼ばれるようになった。

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 「カリオストロの城」の冒頭で、その走りがまんま継承されている。よほどお気に入りのアクションだったに違いない。
posted by Dr.K at 16:19| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月14日

「未来少年コナン」02 旅立ち

 おじいが亡くなり、コナンは〈のこされ島〉から旅立つ。

 今見るとますます名作だ。というより、子供の頃はアクションしか見てなかったことがよくわかった。ファルコの翼に足でつかまるシーンは、今でも笑える。
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そしてこの場面だ。子供のころ、大きな岩が持ち上がってすげえ、と驚いた場面だが、実は違う意味があった。
 おじいが死に、悲しんだコナンは岩を投げまくる。しばらく後に、おじいの墓標が出てくるのだが、これが石積みであることに気が付いた。コナンは、岩を砕いて墓を建てたのだ。岸壁の上には、いくつもの墓標が並んでいる。おじいより先に死んだ帰還者たちだ。コナンは、おじいが仲間を弔う姿を見続けていて、同じ行動をとったのだろう。そして、旅立つコナンを、朝日を背負った墓標が見送る。こんな神々しいシーンを見落としていたとは、子供(私)の目は節穴である。
 そして、子供の頃大好きだったダイス船長の登場に、今も変わらずわくわくしているのだ。
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2020年05月12日

諌山創「進撃の巨人」31巻

singeki31.jpg 発刊から一ヵ月遅れての入手。進撃のコロナのせいで、本屋が営業していなかったからである。ネットで買えばいいじゃないかって? いやいや、こういう時こそ、日頃利用している店を応援せねば。営業再開を待って買ったのでひときわ嬉しい。
 完結に向けて、作りがどんどん緻密になっている。一瞬、「前の巻と話がつながらないじゃないか!」と思わせる構成が憎い。連載中から、単行本の区切りをしっかり計画に入れているということなのだろう。
 死亡などで、登場人物がどんどん退場していく中、アニの復活は楽しみな要素だ。ここまで本当に長かった。すっかり変わってしまった世界情勢の中で、彼女はどのような行動を選ぶのだろうか。
posted by Dr.K at 23:35| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月04日

「未来少年コナン」01 のこされ島

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 各局で再放送が目立つようになってきたが、NHKは格が違う。新番組の代わりに、「未来少年コナン」を持ってくるとは。

 最初の放送を見た、とは言ってもなんせ42年前。あらすじレベルの記憶しかなく、ほとんど新番組のような気分だ。
 さすがに歌は古臭さを感じたが、アクションの素晴らしさは全く古びない。サメとの攻防は「ジョーズ」の影響だろうか。そして、コナンがサメを背負っている姿だけは鮮明に憶えていて笑ってしまう。子供とはそういうものだ。
 それにしても展開が早い。もう敵が攻めてきたが、最近のアニメだったら、ここまでに2〜3話かかるのではないか。また、子供の頃にはただ怖いという印象しかなかったモンスリーが、今見るとなかなかもっともな事を言っていて驚いた。かつてコナンと同じ歳くらいで見始めて、いまやラオ博士くらいの年齢になってしまった。感想の変化も楽しんでいきたい。

 デジタルリマスターにあたって、上下をカットした(?)16:9になっているのだけは不満。「ナディア」のときみたいな縦帯つきで別に構わないのだが… 
posted by Dr.K at 19:03| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月22日

世界はもっと「ギャルと恐竜」を讃えるべき

 あ〜げあ〜げあげあげみざわ。

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 YouTubeで何話か無料公開されているので見た。4コマ漫画に毛が生えた程度で、およそ中身がない。謎のかわいさを発揮する恐竜を、ほけ〜と眺めているだけで終わってしまう。緊急事態で世の中が不安に包まれている今、この呑気さがひときわ愛おしい。そして、何でもない毎日がなつかしい。 
 普通に作るのでは飽き足らなかったのか、クレイアニメをやってみたり、実写を使ってみたりと、中身に釣り合わない実験的な映像になっている。そんなところで価値を高める必要はない。むしろ、最後まで呑気に無意味を通してほしい。今こそそういう作品が讃えられる時だ。
posted by Dr.K at 00:11| Comment(2) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月24日

「映像研には手を出すな!」第12話 芝浜UFO大戦!

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 トラブルを乗り越えて完成した「芝浜UFO大戦」は、即売会で完売。「まだまだ改善の余地ばかりだ」と、浅草は新作の構想にとりかかる。

 最終回の後半を、「芝浜UFO大戦」のお披露目にあてるという思い切った構成。原作から逸脱し、作中作が予想外の出来となったことで、賛否が起こっている。自分が、これを「良い」と思える側であることを幸せに思う。
 出来たものが素晴らしかった、と伝えるだけならこんなに中身を見せる必要はない。感心している視聴者の反応を混ぜれば十分だ。だが、そんな平凡なサクセスストーリーは〈映像研〉には要らない。湯浅監督は、あえて中身を見せることで、私たちをDVDの購入者と同じ立場にしてみせた。
 「芝浜UFO大戦」は、一言で言うとなんだかよくわからないすげえアニメだ。先週までに積み上げられた、浅草の込み入った設定、水崎のこだわった動画が見事に形になっている。反面、ストーリーははっきり伝わらず、ご当地アニメとしても機能していない。このことが賛否を呼んでいるわけだが、否定する側の人は、既存の平凡なものに毒され過ぎてはいないか。わかりやすいストーリーや、ちゃんと宣伝になるご当地アニメなんて、プロがいくらでも作ってるだろう。〈映像研〉の連中はそんなものを作らない。アマチュアとして自分たちの情熱を優先して作った結果がこれなのだ。
 …という大義で、普通のアニメではめったに見られない動きを盛り込んでくる湯浅監督はなかなかしたたかだ。刺激を受けているアニメーターも多いんじゃないか。
posted by Dr.K at 16:50| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月06日

アサイ「木根さんの1人でキネマ」7巻

kinesan7.jpg いかん。これはいかんですよ。
 最初の話からネタ切れ感全開じゃないですか。過去のエピソードを蒸し返し出したら、連載ももう終盤ですよ。次の話もいかんですよ。キャラクターを集めてわいわいやり出して。これのどこが「1人でキネマ」なんですか。
 などと文句を言っていたら、最後に「ゴジラ」が控えていました。久しぶりの傑作です。木根さんは映画を語らなければなりませんが、やはり映画館も語らないといけない。半生をかけた話がコンパクトにまとまっています。
 そろそろ連載終了かと思いましたが、まだ気が早かったようです。よかろう、続けたまえ(何様)
posted by Dr.K at 23:16| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする