2017年06月22日

「進撃の巨人」37 叫び

singeki371.jpg


「まだかな」

 早くも最終回となったアニメ2期。戦いのアクションも良ければ、ミカサのヒロインぶりも良い。途中の割にはきりも良く、文句の付けようのない完成度であった。
 さて、ラストシーンに現れたのは、獣の巨人。巨人サイドの黒幕と目されるキャラであり、「まだかな」というセリフは、こいつがエレンたちとの対決を待っているという意味にとれる。
 だが、ここまでの放送を楽しんできた我々としては断然、「続きはまだかな」という気分。おそらく、制作側もその意味を重ねるつもりで、原作にないセリフを入れたのだろう。
 CM明け、いつもなら予告が出るタイミングで、その回答が出た。
singeki372.jpg
やった〜、3期決定! この場面が出るということは、もう原作の最後まで追うことはほぼ決まり。今期が良かったので、続きのクオリティには期待しかない。来年は「まだかな」!
posted by Dr.K at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

「銃夢 火星戦記」4巻

gks4.jpg なんだ、この表紙の幼女だけかわいいグロ漫画は!

 …などと怒る素人だと思ったか。
 予想は当たった。悪役ムスターの背景はどんどん広がり、ついにはその過去へさかのぼった。作者の筆がのっている証拠である。木城ゆきとは破滅型の悪役を描かせたら絶品で、それはもはや愛といっていい。
 一方、今回ガリィの出番はほとんどない。主役抜きの方が面白いってどうなのよ。このペースだと、現代に話が戻るのはかなり先と思われ、対エーリカの決着が見られるのに何年かかるかわからない有様。
 無印「銃夢」では、無理矢理ながらハッピーエンドに収束させた。「Last Order」では、バトルマンガの結末として、ボス敵を倒させた。では「火星戦記」は? ここに至って、悪が勝つピカレスクエンドもあり得るような気がしてきた。
posted by Dr.K at 11:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月04日

「進撃の巨人」35 子供達

singeki351.jpg


 えっえっ、何これ?
 予想しなかったタイミングで、単行本未収録の最新のエピソードが使われて驚いた。ユミルの生い立ちをここに突っ込んだか、うまい! ユミルとクリスタがクローズアップされ過ぎて、エレンもミカサもすっかり影がうすい(笑)
 この回想、初見の人にとっては超展開ギリギリの内容となるため、話を追うだけでせいいっぱいだったかもしれない。一方、原作既読組は、謎解きの数々が背景で明かされているため、すべてを明かす話のときどのような見せ方をするのか、気になって仕方ない。しかも今期でそこまで話を進めるのは到底無理。ここはもう何としても3期4期と続けていただかねば。

 原作通りの順番で展開するという原則は今回で破られた。残りの回、アニメの視聴がますます楽しみになってきた。
posted by Dr.K at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月07日

「進撃の巨人」31 戦士

 ついにこの話まで到達した。マンガで読んだとき、この作者どうかしてるんじゃないか、と思った名場面だ。
singki312.jpg
まるで立ち話でもするかのようなさりげなさで、ライナーが正体を告白する。マンガでは、コマの端っこに小さく描かれるという常識外れの演出が施されており、二度見三度見してようやく内容を理解する読者が続出した。また、衝撃のネタバレとして、スキャンされた紙面がネットにも多数アップされたが、コラ画像だと思って信じなかった人もいたらしい。
 アニメでは、その内容を忠実に再現。ハンジたちの会話がノイズとして間にはさまることで、よりどうでもいい話のように聞こえるところがうまい。ライナーの声の演技にも磨きがかかっていて、ベルトルトの「彼は疲れているんだ」という言葉を真に受けてしまいそうになる。

singeki311.jpg
 それにしても、状況を見守るミカサの顔が怖すぎる。ひょっとしてライナーたちの話が聞こえているのだろうか。

posted by Dr.K at 19:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

諸星大二郎「BOX 〜箱の中に何かいる」2巻

morobox2.jpg 「西遊妖猿伝」の新刊が出ないな、と思っていたら、諸星先生ったら別の連載をスタートさせていたんですね。しかも久しぶりの現代劇です。

 「BOX」は、謎のパズルに招かれた数人が、「箱」からの脱出を目指すという物語です。状況だけ見ると映画「CUBE」のようです。
 ですが、中身はいつも通りの諸星ワールド。「箱」の中では得体のしれない化物が跋扈し、一部では妖術バトルまで繰り広げられており、舞台さえ中国なら「諸怪志異」シリーズに入れておかしくない内容です。
 特筆すべきはキャラクターで、パンチラお姉さんやら、頭の足りないゴスロリ少女やら、諸星作品と縁のなさそうな人物が容赦なく取り込まれています。2巻ではついに主人公がボーイズラブ展開に巻き込まれることとなりました。しかし、ベテランが無理に世相を取り入れているような苦しさはなく、何をどう描いても諸星作品でしかないのがすごいです。クイズやらおまけやらもあり、先生自身が楽しんで描いているようで何よりです。
 とはいえ、なるべく早く悟空を天竺へ向かわせてほしいのですが。
posted by Dr.K at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月20日

「進撃の巨人」28 南西へ

 楽しんでいることは間違いないのだが、面白さの方向が明らかにずれている。
 私はマンガを読んでおり、つまり先の展開を知っている。その状態で見ると、このセリフをこいつに言わせるか、ここでこんな意味深な行動をするか、と伏線がみんなわかってしまう。まるで推理ものの解決編を見ているような気分になる。
Singeki281.jpg
 ウトガルト城に獣の巨人が現れた時、ことさらにびびっているのがこの3人というのも、無作為な選択じゃなくて演出なのだな。巧みだなあ。
 不気味なエンドロールも、最新刊の22巻を読めば、その意味がわかる。隅々まで情報が詰め込まれた充実のアニメだ。
posted by Dr.K at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月14日

花沢健吾「アイアムアヒーロー」22巻

iamahero22.jpg 雑誌を読んでいないので、この巻で完結ということに驚いた。中身を読んで、予想を裏切る結末にうろたえた。
 ZQNのすべてが明らかになる、とは思っていなかったものの、比呂美があんな形で放り出されるとは思わなかった。AMAZONのレビューも大荒れである。

 だがこれは失敗ではない。作者は恐らく、覚悟のうえでこの結末を選んだのだと思う。
 中田コロリは、何人かの仲間とともにヘリで脱出。離島で平和な暮らしを取り戻す。この流れは、王道も王道であり、中田は見事ヒーローとなった。
 一方、鈴木英雄は、わずかな判断の差によって、中田と会うことができない。結ばれたはずの比呂美とは敵対する。誤ってクルスを守ろうとしたり、中田を狙撃しそうになったりする。そして、東京でただ一人の生存者となり、孤独なサバイバル生活を続ける。
 もしも中田と合流できていれば、もしも比呂美と和解できていれば、もしもクルスと戦っていれば…英雄にはタイトル通り「ヒーロー」になれる機会が何度もあったのに、それをことごとく逃す。少年マンガ的な予定調和の否定である。
 1巻で、英雄は妄想に生きる孤独な生活者だった。最終章のサバイバル生活は、その状況に似せて描かれる。しかし、今度は本当に人がいない真の孤独である。そして、いきなり挟まれる東日本大震災の描写は、この世界が英雄の妄想ではなく現実であることを示す。夢オチや精神世界オチの可能性を否定しているのだ。
 ここで英雄が絶望して死ねば、インパクトのある結末にできた。だがそれもしない。誰もいない希望もない世界で、生きるためにただ生きる。それができるのは、鉄の心をもったヒーローだけではないのか。英雄の前向きな一歩を雪の上に記したところで、作品は唐突に終わる。
続きを読む
posted by Dr.K at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月07日

「進撃の巨人」26 獣の巨人

 ↓アイキャッチも無駄にせず、謎を提示していくスタイル。(クリックで拡大します)
Singeki261.jpg

 4年ぶりに始まった第2シーズン。
 今さらおせーよ、という悪態を跳ね返す面白さ。これで実写版の悪夢はきれいさっぱり忘れられる。
 巨人の走り出しが面白すぎて、ふざけてんのか、と思ったが原作もその通りだった。アニメ化にあたって、原作の演出を忠実になぞりつつパワーアップしてあるのだな。素晴らしい。唯一文句があるとすれば、すでにマンガを読んでいて先がわかってしまっていること。記憶を消して新鮮な驚きを味わえたら、どんなにいいだろう!

Singeki262.jpg
 これまでは、エンディングもかっこいい歌だったのだが、今シーズンのは超キモい。巨人サイドの世界観を表現しているのかな。不快でインパクト絶大だ。
posted by Dr.K at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月11日

三部けい「僕だけがいない街」9巻

bdim9.jpg え、8巻で完結したんじゃなかったの?

 と一瞬びっくりする人もいたのでは。9巻は、完結後に雑誌掲載された外伝「僕だけがいない街Re」をまとめたもの。
 つまらないわけじゃないけれど、こういうのあんまり良くないと思うのよ。
 このマンガ、本編にものすごく余白がある。主人公が長い昏睡を経て起きるので、その間他のキャラがどう過ごしてきたかわからない。でも、そういう隙間をあれやこれや想像するのも読者の楽しみのうちだし、主人公と犯人とに焦点を絞るのも大事だと思うんだ。
 ところがこの外伝では、作者が自ら隙間を埋めてしまっている。他人が描いた同人なら、その人なりの解釈ということで済ませられるけど、作者が描いたらそれは唯一の公式なわけよ。なんか、作品が閉じちゃった感じがして残念。ただ、これも今どきの読者の要請なのかな、とも思う。何かというと説明不足、と文句を言う奴多いもんね。

 売り方もよくない。こんなの昔だったら、外伝とか別巻とかで出るもんでしょ。ナンバリングに入れて少しでも余分に売ろう、という出版社の必死さが嫌。アニメにも映画にもなって大ヒットしたのでファンサービスです、くらいの余裕を見せてほしいもんだよね。三部けい、もう泡沫作家じゃないんだから。
posted by Dr.K at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月04日

アサイ「木根さんの1人でキネマ」3巻

kine3.jpg
 あ〜、これまずいなあ。長期連載の罠にはまっていってるかもなあ。

●マニア向けの罠
 木根さんがエヴァンゲリオンを初めて見るという話があるのだが、この面白さ、TV版を全部見ている人にしか伝わらない。マニアに刺さるように深く掘り下げると、やっぱりこうなっちゃうのかな。木根さんの素晴らしさは、題材となっている映画を知らなくてもマンガそのものが面白い、というところにあると思うんだけど。
 その意味では、この巻のホラー回は秀逸。

●キャラ追加の罠
 長期化にともない、木根さんと佐藤さんだけでは話がもたなくなってる。そこで、過去のゲストキャラクターが再登場し、準レギュラーに昇格しつつある。会社の同僚やら上司やら同窓生やらだ。スター・ウォーズのオッサンたちにはこれからも毎年一回出てほしいが(笑)、個人的に要注意と思っているのが、映画好きが発覚した工藤ちゃんと、アニメ大好き主婦。この個性は、木根と佐藤を食ってしまう恐れがある

 このままずるずると、キャラの多い薄いマンガになってしまうくらいなら、早く幕を引いた方がいいのでは、と思ったりするのだが、今後の展開やいかに。
posted by Dr.K at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする