2017年04月20日

「進撃の巨人」28 南西へ

 楽しんでいることは間違いないのだが、面白さの方向が明らかにずれている。
 私はマンガを読んでおり、つまり先の展開を知っている。その状態で見ると、このセリフをこいつに言わせるか、ここでこんな意味深な行動をするか、と伏線がみんなわかってしまう。まるで推理ものの解決編を見ているような気分になる。
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 ウトガルト城に獣の巨人が現れた時、ことさらにびびっているのがこの3人というのも、無作為な選択じゃなくて演出なのだな。巧みだなあ。
 不気味なエンドロールも、最新刊の22巻を読めば、その意味がわかる。隅々まで情報が詰め込まれた充実のアニメだ。
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2017年04月16日

3月のライオン 前編

 難しい題材をよく映画化した。大健闘だ。

 主人公が棋士だからといって、映画館に将棋愛好家が押し寄せるわけではない。むしろ、神木隆之介が主演なので観よう、くらいの観客の方が多いだろう。
 そうなると、肝心の対局シーンが伝わらないことになる。盤面を映したところで、多くの観客には状況が読めないからだ。
 このような場合、スポーツマンガなどであれば、解説担当のキャラが登場し、戦況を教えてくれる。しかし将棋でそれをやるのは無粋だ。
 この映画では対局の解説は最低限にとどめ、役者の表情に状況を物語らせる。動きのない場面を緊迫感でいっぱいにできる役者の力量が見どころである。佐々木蔵之介は特に秀逸。
 心理戦が描き込まれる一方で、実際の手は単純化されている。飛車や角が動くのが強い手であり、王の正面に駒が突き付けられて投了となる。実際の将棋とはかなり違う印象だが、見栄え重視だから仕方ないのかな。

 完璧にはまっている神木隆之介はもちろんのこと、特殊メイクですっかり別人の染谷将太や、意外に悪女演技が似合う有村架純など、登場人物が面白いので、できることなら連続ドラマでもっと長く観たかった。後編ももちろん行く予定。

ダイジェスト感 7
演技力 8
子役そっくり度 10
個人的総合 5
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2017年04月14日

花沢健吾「アイアムアヒーロー」22巻

iamahero22.jpg 雑誌を読んでいないので、この巻で完結ということに驚いた。中身を読んで、予想を裏切る結末にうろたえた。
 ZQNのすべてが明らかになる、とは思っていなかったものの、比呂美があんな形で放り出されるとは思わなかった。AMAZONのレビューも大荒れである。

 だがこれは失敗ではない。作者は恐らく、覚悟のうえでこの結末を選んだのだと思う。
 中田コロリは、何人かの仲間とともにヘリで脱出。離島で平和な暮らしを取り戻す。この流れは、王道も王道であり、中田は見事ヒーローとなった。
 一方、鈴木英雄は、わずかな判断の差によって、中田と会うことができない。結ばれたはずの比呂美とは敵対する。誤ってクルスを守ろうとしたり、中田を狙撃しそうになったりする。そして、東京でただ一人の生存者となり、孤独なサバイバル生活を続ける。
 もしも中田と合流できていれば、もしも比呂美と和解できていれば、もしもクルスと戦っていれば…英雄にはタイトル通り「ヒーロー」になれる機会が何度もあったのに、それをことごとく逃す。少年マンガ的な予定調和の否定である。
 1巻で、英雄は妄想に生きる孤独な生活者だった。最終章のサバイバル生活は、その状況に似せて描かれる。しかし、今度は本当に人がいない真の孤独である。そして、いきなり挟まれる東日本大震災の描写は、この世界が英雄の妄想ではなく現実であることを示す。夢オチや精神世界オチの可能性を否定しているのだ。
 ここで英雄が絶望して死ねば、インパクトのある結末にできた。だがそれもしない。誰もいない希望もない世界で、生きるためにただ生きる。それができるのは、鉄の心をもったヒーローだけではないのか。英雄の前向きな一歩を雪の上に記したところで、作品は唐突に終わる。
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2017年04月12日

「GRAVITY DAZE 2」のDLC「時の箱舟-クロウの帰結」がユニークな仕上がり

 「クロウの帰結」は、「グラビティデイズ2」の追加シナリオ。クロウを操作して、新しいアイデアが盛り込まれた新規ステージを楽しむことができる。しかも無料なのでやらない理由がない。
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 事前に注目を集めていたのは、そのストーリー。一作目の「グラビティデイズ」で、下層世界の子供たちを方舟に乗せて救出する話があった。ところが、この重要そうなエピソードについて、「2」では全く触れることなく終わっていた。
 「クロウの帰結」では、子供たちと方舟の顛末がついに明らかになる、との触れ込みだった。

 実際にプレイしてみると、予想とかなり違っていた。確かにそのストーリーを描いてはいる。だが、画面がストーリーを表現していないのだ。
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 例えば、サチアが記憶をたどっていく場面。背景は抽象化され、思い出すという行為は、青い玉(記憶)を集めるというゲームに置き換えられる。玉をとるたび、簡単なテキストのみで情報が補完されていく。
 アニメだったら回想シーンで具体的に見せそうな場面だ。だがこのゲームはそうしない。プレイヤーは目の前のゲーム画面とは別に、説明されるストーリー内容を想像していくことになる。
 クロウは、神々に頼まれて、事象の綻びとやらを修正するために、抽象的な空間を奔走する。そんな内容に、決まったビジュアルなどあろうはずがない。結果として、ゲーム内容に関係なく、自在に意味を付与してストーリーを語れるという、創造主もびっくりの荒業が実現した。この物語はこのゲーム性である必要がない。このゲームはこの物語である必要がない。それでも駄作にならないのは、結末に至るクロウの決断が、作風にぴったり一致するからだ。なんともユニークで実験的な追加シナリオだ。
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2017年04月07日

「進撃の巨人」26 獣の巨人

 ↓アイキャッチも無駄にせず、謎を提示していくスタイル。(クリックで拡大します)
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 4年ぶりに始まった第2シーズン。
 今さらおせーよ、という悪態を跳ね返す面白さ。これで実写版の悪夢はきれいさっぱり忘れられる。
 巨人の走り出しが面白すぎて、ふざけてんのか、と思ったが原作もその通りだった。アニメ化にあたって、原作の演出を忠実になぞりつつパワーアップしてあるのだな。素晴らしい。唯一文句があるとすれば、すでにマンガを読んでいて先がわかってしまっていること。記憶を消して新鮮な驚きを味わえたら、どんなにいいだろう!

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 これまでは、エンディングもかっこいい歌だったのだが、今シーズンのは超キモい。巨人サイドの世界観を表現しているのかな。不快でインパクト絶大だ。
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2017年04月02日

まるでログイン同窓会 「忍者増田のレトロゲーム忍法帖」

nmrgnc.jpg 「忍者増田のレトロゲーム忍法帖」を読んだ。なつかしさで涙がちょちょぎれたでござる。

 この本、レトロゲームのみを目当てで買ってしまうと、大いに当てが外れる。収録タイトルは少ないし、かといって新しい情報や深く有用な情報があるわけでもない。そもそも表紙のオッサン誰やねん。てなもんである。
 一方、拙者のように「ログイン」時代から増田氏の記事を読んでいる者にとっては、これはピンポイントを穿つ希書である。レトロゲームにかこつけて語られるのは、増田氏の個人的なゲーム遍歴であり、かつての編集部の方々とのインタビュー。今は亡き「ログイン」の同窓会といった趣なのだ。

 「ログイン」は、もともとパソコン雑誌であったが、実用ソフトやハード重視の他紙と異なり、ゲームとエンタテインメントに特化した雑誌だった。その中のファミコンゲーム紹介コーナーが独立し、創刊されたのが「ファミ通」。なので、雑誌も人脈も今の「ファミ通」が受け継いでいるのだが、やはり昔と今は違う。
 ゲーム誌の多くが廃刊し、業界No.1の座を勝ち取った「ファミ通」は、今や業界誌としての役目を負っている。ニュースを的確に報道し、多数あるゲームの中から、代表的なものを選んで載せなければならない。バカ記事もあるとはいえ、全体的には、大人が作るまじめでまともな雑誌と言える。
 だが「ログイン」はそうではなかった。パソコンでゲームをやる奴なんてごく少数。だったら自由にやってやれ。読者のほとんどが知らないであろうゲームを、編集者が発掘し、惚れ込み、紹介した。メーカーとの付き合いやしがらみなどほとんどない。だからこそ、国内未発売の新機軸ゲームを何ページもかけてアピールする、というような記事作りが許されたのだろう。
 高校生の時の拙者が、目を輝かせて見入った雑誌で、原稿を書いていた増田氏は、当時はアルバイトの大学生。読者と編集者との距離感が、パソコンに詳しい東京の兄ちゃん、くらいの感じだったわけで、この本を読むと親戚の兄ちゃんが元気だったことを知ることができたような、そんな感慨がわくのでござるよ。
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2017年04月01日

エイプリルフールのやり過ぎ2態

 休日なので、朝起きてなんとなくゲームを起動したらいつもと違う。ああ、今日はエイプリルフールだっけ。

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2017年03月30日

SING その2

 こちらでは、前回触れられなかった、演出や構成についてメモする。

●前座
 はじめに、同じ制作会社による「怪盗グルー」新作の予告が入る。「今日はSINGを楽しんでくれ」というグルーからの挨拶で締めるのだが、鶴瓶の声が浮いており、不安をはらんだ開幕となる。

●起
 登場人物の置かれている状況を、短い映像で手際よく伝えていく。ナレーションや説明セリフがなく、とてもテンポが良い。別の登場人物へ場面が変わるときは、カメラが爆速でかっ飛んでいく。3D版ではここが一番の見どころかもしれない(笑)
 歌のコンテストが開かれることになり、登場人物が一堂に会する。予告編のオーディションシーンは、短くダイジェストされているように見えるが、本編でもかなり短くダイジェストされており、一次予選はあっという間に終わる。

(以下、ネタバレ含むのでご注意)
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2017年03月29日

SING その1

 エキセントリックな動物アニメの外見はまやかし。優しく癒される傑作である。

 コアラのバスターが寂れた劇場を立て直す物語、として見てしまうと、意外とバスターが何もできておらず、物足りない。しかしこれは群像劇。それぞれに事情を抱えた出場者が、歌によって自分を救う話なのだ。決して声高に正義を押し付けず、正しい人も正しくない人も、歌によってひと時の安らぎを得る。多彩な登場人物(?)の中に、共感できる奴が必ずいるはずだ。

 一方、技術的には、この作品はアメリカから送り込まれた刺客と言える。

 「プリキュア」のエンディングがCGになったのはいつからだったろう。「アイドルマスター」のゲームの発売。そして、初音ミクがライブを開催したこともあった。いまや日本は、CGのアイドルが歌い踊る異界である。
 「SING」は、それらを超えるCGを見せてくれる。リアルとかきれいとかそういう話ではない。感情が熱くこもっているのである。クライマックスのライブは、物語に沿った説得力のある演技になっていた。実に見事だ。

 動物ならではの社会を作りこんだ「ズートピア」とは異なり、「SING」は動物のなりをした人間ドラマだ。ではなぜ動物にする必要があったのか。人間で表現したのでは直接的すぎる部分があるからかもしれない。だが一番の理由は、CGによる感情表現のためだろう。人間のキャラだと、感情表現はあって当たり前なので見過ごされたり、実際の人間との微妙な違和感を指摘されてしまう可能性が高い。見た目が動物だからこそ、観客はそこに人間の感情を読み取ってはっとするのだ。

 そうそうたる洋楽の名曲・ヒット曲を歌う動物たちに交じって、きゃりーぱみゅぱみゅを歌う5人組が出てくる。オーディションに落ちても帰ろうとせず、英語もわからない迷惑な奴らだ。日本のアイドルがディスられているわけだが、きゃりーぱみゅぱみゅはこんな使われ方をしてどう思っているのかな(笑)

予告編の魅力 4
癒され度   10
吹替え本気度 10
個人的総合 9
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2017年03月25日

自由すぎるゼルダ 「ブレス オブ ザ ワイルド」その3

●自由すぎて自業自得
 人によって進め方は異なりますが、今のところ素直にカカリコ村→ハテノ村→ゾーラの里、と移動しています。
 カカリコ村への道中では、間に双子山がそびえています。山間の川沿いに進むのが正規のルートなのですが、要所要所でボコブリンが監視しています。ザコのくせに結構いい武器を持っており、シャツを着ただけのリンクは一撃で死にます。
 ならば戦うのはやめましょう!
 このゲームに行けない場所はない! 街道を避け、峻険な山を越えることにしました。ボコブリンの目は避けられましたが、代わりに、ガーディアンやらイワロックやら、でかい奴と遭遇。武器もろくにないので、逃げるのみです。だいぶ迷いましたがどうにか村に到着です。
 続くゾーラの里への道では、リザルフォスが配置されています。ボコブリンより上位の敵であり、かなうわけがありません。不戦プレイが続きます。走って逃げて道を見失って、を繰り返しながらの到着となりました。ですが、ここでいよいよ神獣の話が始まります。避けられぬボスとの戦いが近づいているようです。
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 王子、無理です。

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posted by Dr.K at 18:52| Comment(2) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする