2019年05月06日

名探偵ピカチュウ

 初めて劇場で観るポケモン映画がこれで、どうもすみません。

 長年ゲームで積み重ねられた設定があるので、新しく映画を作ろうとしても色々と窮屈なはず。ところがこれは、びっくりするほど自由です。
 冒頭、主人公というにはあまりにさえない、保険会社勤務の青年ティムが登場。この世界では、ポケモンを持っていないと肩身が狭いようで、友人に誘われ渋々のポケモンハンティングです。いい大人がモンスターボールを投げる滑稽さ、そして初登場のポケモンがカラカラという微妙さ(笑)。「お前にはカラカラで十分だ」と盛大にディスられているようで、笑ってしまいます。
 直後に父の事故死が伝えられ、ティムはライムシティへ。ライムシティは、バトルもトレーナーもモンスターボールもない、人とポケモンが共存する理想郷、と説明されます。「ポケモン」のゲームが持つ仕組みを全否定し、ここからは好きに作るぜ、と宣言しているわけです。事故を捜査した警官役の渡辺謙に「少しは仕事選べよ」と思ったり、満を持して登場したピカチュウの声が西島秀俊でずっこけたりと、あれよあれよという間に話は進んでいきます。
 ポケモンとしての制約からは自由なこの映画ですが、決していい加減なストーリーではなく、ハリウッド映画として緻密に組み立てられた構造を持ちます。話の主軸になるのは、ティムと父の親子関係ですが、それは敵側となるハワードとロジャーの親子関係と対比されて描かれます。笑いありアクションありで、飽きさせない展開もさすが。悪役のスケールが大きすぎて人類補完計画みたいになっているのはご愛敬(笑) 張られた伏線はすべて明確に回収されますが、続編作れないですよね、これ。もうすこしこのオッサン声のピカチュウを見ていたかったです。

 エンドロールは、ポケモンの絵柄でキャストが紹介されるので必見。ポケモンが世界に通用していることが伝わって感動しますよ。

西島秀俊の演技 8
竹内涼真の演技 4
バリヤードの演技 10
個人的総合 7
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2019年05月03日

田中圭一「若ゲのいたり」

 田中圭一が有名クリエイターにインタビューし、なつかしのゲームの開発秘話を引き出すルポ漫画。Webで連載されていたものが、ついに単行本になった。迷わず買うべし。
 今もWeb版は全編無料で公開されているが、こういうものはいつ消えるかわからない。やはり、後世に遺そうと思ったら紙の本に限るのである。
 内容は、ゲーム業界に詳しい人なら既知の事も多かろう。しかしそこは田中圭一。ゲーム開発経験者ならではの思い入れが発揮され、他では聞けない話が散見される。特に、「アクアノートの休日」「ゾイド」の回は貴重である。

 さて、田中圭一が得意とする、絵柄を変える技は今作ではなりを潜め、全編が手塚風で描き進められている。しかし、名越稔洋だけは本宮風に描かれていた。やはりそうなるか、と笑ってしまう。
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2019年05月02日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その4

 Cエンド到達。便宜上〈3周目〉と呼ばれることが多いが、周回要素は0。A、Bのエンディングのその後のストーリーとなる。

 アダムとイブの撃破を好機ととらえたヨルハ部隊は、地上の機械生命体へ総攻撃をかける。まさにクライマックスという雰囲気なので、エピローグが追加される程度で終わるのかと思ったら、大間違いだった。

※以下はネタバレを含むので注意

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posted by Dr.K at 12:32| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月01日

改元の日に

 ヨドバシカメラでは「令和」クリアフォルダーを配ってました。商魂たくましい。

 改元なんて、そう何回も経験できるものではありません。
 では、「平成」が始まったとき、私はどうしていたのか。ちょうど受験を間近に控えた浪人生でした(笑) 現役で受かった同級生は昭和のうちに大学生になりましたが、私は平成の入学となるわけで、この出遅れ感は大きかったです。
posted by Dr.K at 20:41| Comment(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月28日

宇宙イカ革命「Splatoon2」 その21

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 スプリングフェスのお題はウサギVSカメ。世界合同フェスとのことなのだが、ウサギとカメをすっかり日本の昔話と思い込んでた。

 今回のミステリーゾーンはかなりの大仕掛け。中央のでんでん太鼓でフロアが動く。でんでん太鼓はヒーローモードでおなじみのギミックなのだが、その時は、動かした床は放っておくと戻るようになっていた。ところが今回は、流れた床は戻ってくることがない。つまり、塗った床を動かしてしまえば、その部分は二度と取り返されないことになるのだ。
 だが、ミステリーゾーンはそのフェス限りの新ステージ。メンバーがその仕組みを熟知しているとは限らない。私もはじめは、太鼓の存在に気付かなかったくらいだ(笑) お互いが分かったうえで争えば、独自性の高いステージとして楽しめるのだろうが、見当違いの動きをするプレイヤーが後を絶たないため、もやもやしたプレイ感になってしまう。

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 いまひとつのり切れずに終わってしまったが、10倍マッチで勝利したので勘弁してほしい。
posted by Dr.K at 19:45| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月27日

「どろろ」第十四話 鯖目の巻・第十五話 地獄変の巻

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 まだまだ名エピソードを残している「どろろ」、いよいよマイマイオンバが登場。
 「鯖目の巻」、赤ん坊妖怪がびっくりするほど原作準拠の姿で登場。これは続きに期待、と思ったが「地獄変の巻」がずいぶんあっさりしていて残念だった。原作でのマイマイオンバ戦は、美しい湖を舞台に、歌舞伎のような芝居ががった演出となっており、印象に残る内容。これがアニメになって動くとどうなるか、と楽しみにしていたのだが…。
 一方で、鯖目の描かれ方は掘り下げられている。原作では、化け物にほれ込んで家族を作ってしまった、私情で動く人物に過ぎなかったのだが、アニメでは領民のために化け物と契約しており、つまりはスケールの小さな景光になっているのだ。この挿話の悲惨な結末は、百鬼丸が景光を討てばどうなるか、その未来を暗示する。道を違えようとするどろろこそが、それを変えるための希望である。

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 さて、2クール目に入り、エンディングが変更になった。ほとんどのカットがぼんやりした抽象的な映像で、何をうつしているのか気になる。そして、最後のカットを見るに、これは百鬼丸の視界を表していると予想できる。
 本編では、いずれ百鬼丸の眼が取り戻されることになると思うが、それにあわせてエンディングもはっきり見えたりするのだろうか。
posted by Dr.K at 21:06| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月22日

諸星大二郎「雨の日はお化けがいるから」

 新刊「オリオンラジオの夜」を楽しんだ後、ふと表紙を見ると小〜さな字で〈諸星大二郎劇場 第2集〉と書かれているのに気が付いた。じゃあ第1集は何なんだ。

ameobake.jpg そんなわけで、探して買ってきたのがこの「雨の日はお化けがいるから」。雑多な短編が収録されている中で、特に印象に残ったのが「ゴジラを見た少年」だ。
 2014年の「GODZILLA」は、海外製とはいえ、久しぶりに復活したゴジラ映画だった。それを記念してビッグコミックが特集を組み、様々な作家がゴジラにちなんだマンガを寄稿した。「ゴジラを見た少年」はその中の一本となる。
 少年はゴジラを夢に見る。東日本大震災の被災者が、その日のことをゴジラが来た、と表現するわけだ。夢と現実、初代ゴジラの時代と現在、それら境界を行きつ戻りつするうちに、厄災の化身としてのゴジラが形作られていく。
 これは驚嘆すべき発想で、2014年版ゴジラとはあまり関係がない一方、初代のゴジラと、まだ作られていない「シン・ゴジラ」との間をつなぐ作品となっているのである。

 「シン・ゴジラ」も神話的な側面を持つ作品だが、諸星版ゴジラも見てみたくなった。
posted by Dr.K at 09:20| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月21日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その3

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 Bエンド到達。さあ2周目だ、とプレイ開始してみたら、いきなりザコ敵を操作させられる。まさか敵視点のゲームになるのか? と戸惑うが、例によって意地の悪い演出であり、実際は9Sの物語となる。

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 9Sは支援型のアンドロイドであり、通常の戦闘のほか、敵にハッキングを仕掛けることができる。ハッキングを開始すると、画面はシームレスに抽象的なシューティングモードに切り替わる。コアを破壊すればハッキング成功となる。
 何しろ唐突にゲームが変わるので、慣れないうちは攻撃を食らいがち。敵を狙うのが難しく、四苦八苦した。しばらくプレイしたのち、3Dゲーム時の戦闘と同様、ロックオンが可能と分かり、突然楽勝になって助かった。

※以下はネタバレを含むので注意

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posted by Dr.K at 15:57| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月20日

モンキー・パンチ氏を悼んで

 モンキー・パンチが亡くなった。享年81歳。tsujilupin.jpg

 「ルパン三世」の作者として知られるが、不思議なことにマンガがそれほど読まれているとは思えない。この点では、「サザエさん」の長谷川町子に通じるものがある。私も、「ルパン」のアニメはよく観たが、マンガは読んだことがない。辻真先による「小説ルパン三世」を読んでいるのはちょっと自慢できるかもしれない。
 先日の「金曜ロードSHOW」では、追悼番組として「ルパンVS複製人間」が放映された。ベストなチョイスだと思う。「カリオストロの城」では、宮崎駿のイメージにしかならない。

 以下は、このブログでのモンキー・パンチ関連記事。イタリアを舞台にした「ルパン三世Part4」は、かなり気に入って視聴していたのに、全く記事に書いていなかったとは不覚である。

 追悼放送を観たが、一つ一つの場面がアート的にこだわっていて、現在の手慣れたアニメにはない味がある。傑作だ。

 こんなものが作られても文句ひとつ言わない原作者は稀。

 最近の作画崩壊は基準が高すぎる。こいつを見よ。

 ジブリ亡き後は、ヴァニラ飯を推したい。

 この盛り上がりにリアルタイムに参加できたのは幸運だった。


posted by Dr.K at 17:28| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月13日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その2

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 Aエンド到達。わざわざ「ここでやめないように」とお知らせが出るのは親切だが、「ニーア レプリカント」や「ドラッグ オン ドラグーン 3」をプレイした身としては、分かりきったことである。

 序盤はかなり手ごわいゲームだ。敵の攻撃を受けまくり、回復アイテムがどんどん減っていく。団地のボス戦で、ロックオンと回避が鍵だと気づき、以降はだいぶまともに立ち回れるようになった。回避重視のアクション設計は、いかにもプラチナゲームズらしい。プレイヤーの武器ごとの攻撃モーションの豊かさも「ベヨネッタ」譲りだ。
 その後、ネットを通じて送られてくる他のプレイヤーの義体を拾いまくって、強いチップを身に着けたので、難度は劇的に下がっていった。先にプレイした方々に感謝感謝である。

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 一方ストーリーはというと、一周目から嫌な予感しかしない。2Bらヨルハ部隊は、人類が地球を取り戻すために送り込んだ戦闘アンドロイド。対するはエイリアン配下の機械生命体たちだ。アンドロイドたちは美男美女の麗しい外見だが、長い戦いに飽きて、裏切るやら脱走するやら狂うやら、退廃的なエピソードが展開する。一方機械たちは、ブリキのおもちゃのような不格好な外見だが、人間のような感情・行動を身に着け始めている。パスカルの村など、初見は極めて不気味だ。これ絶対後で裏切るぞ、と思っていたのだが今のところそういう展開はない。
 善悪が反転する瞬間が、やがて訪れるのだろうか。
posted by Dr.K at 17:59| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする