2019年04月08日

レゴムービー2

 充分面白いのに、あまりに不遇で泣けてくる。
 映画館に行ったら観客がたった2人。田舎じゃないぞ、大阪駅の映画館だ。平日の朝イチとはいえ、これはひどすぎる。

 5年前の「レゴムービー」は、全世界のレゴファンを泣かせた大ヒット映画だが、日本では「アナと雪の女王」と公開が重なって不発。一度ケチがついた後の「2」はますます苦しい。
 まず知名度がない。CMなどの宣伝が少なく、ゴールデンタイムに旧作が放送される機会さえなかった。
 次に、途中参加お断りの内容。5年ぶりなのに、前作のオチと話がダイレクトにつながっており、仲間キャラクターの紹介もなし! 海外では大ヒットだったのでこれで良いが、日本では前作を観た人が少ないので致命的。
 見た目に反した大人向けの小ネタも前作譲りで、グリーンランタンやアクアマンなどの最近の題材はともかく、ダイ・ハードやバック・トゥ・ザ・フューチャーまでもがさらっと出てくるので、お子様はおいてけぼりになる。
 そして、エンドロールで確信したのだが、この映画は3Dでの鑑賞を前提に作られている。飛び出したらさぞ楽しかろう、という演出が多いのだ。しかし、日本では不人気なので3D上映は一館もない! 字幕版の上映もほとんどないので、原語での声優いじりが生きてこない。

 女王の自在な変形などレゴらしい動きはパワーアップしているし、物語の舞台は宇宙へ飛び出して広大になっているし、前作で観客を驚かせた現実世界とのリンクもきちんとその先を描いているしで、続編としては及第点以上の出来。DVDが出たときに、映画館で観ればよかった、と後悔する人が続出するところまで前作を踏襲しなくていいじゃないか。公開終了までに劇場へ。一見の価値はある

映像のこだわり 8
歌のこだわり 8
英語版声優のこだわり 8
個人的総合 7
posted by Dr.K at 23:32| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月07日

「どろろ」第十一・十二話 ばんもんの巻

drr121.jpg
 家族との再会、そして百鬼丸と多宝丸の対決。前半の締めくくりにふさわしい濃縮された物語だったが、結果、九尾が止めを刺されたのかはっきりせず、百鬼丸の体も戻っていない。次回で何か説明があるのだろうか。

 さて、このアニメでは、多宝丸が深く掘り下げられている。ただの恵まれた子ではなく、領主の子としての自覚と正義感があることがわかる。百鬼丸の真実を知った彼が、兄を討つと決めたその覚悟は非常に重い。原作で、兄と知らずに百鬼丸と戦ってあっさり死んだ多宝丸とは大違いだ。一命をとりとめた多宝丸は、映画の「どろろ」のように、景光亡き後の領主となるのかもしれない。
 原作ではシンプルに悪だった景光も、領主としての冷酷な覚悟を感じさせる、一理ある人物になっている。母親が自殺するのも原作にない展開である。さらに、原作では殺された助六と母が、無事に再会したという改変。再会した家族から拒絶される、百鬼丸の孤独がより鮮明に浮かび上がる仕組みだ。
 このままでは暗黒面に落ちてしまいそうだが、それを助けるのがどろろということなのだろう。50年前のアニメと違って、視聴率が悪いからと急にコメディにするようなことはないはず。どんな後半を迎えるのか、とても楽しみだ。
posted by Dr.K at 23:47| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月06日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その1

 「ニーア オートマタ」をようやく手に入れた。DLC等がセットになった「Game of the YoRHa Edition」だが、本編に特に違いはないらしい。

 前作と呼んでいいのだろうか、「ニーア レプリカント」は、ファンタジー風の剣と魔法の世界を舞台に、一人の少年の冒険を描いていた。(←プレイした人から総ツッコミを食らいそうな概略) 一方、「ニーア オートマタ」は、廃墟と化した未来の地球で、戦闘用のアンドロイドが主人公となる。つまり何もかもが前作と異なるわけだが、冒頭のエピソードをプレイしただけでばっちりNieR感が出ていて面白い。
 ではNieRらしさとは何か。それは、プレイヤーの予想を裏切りまくるひねくれた展開だ。さあ、アクションゲームをやるぞ、とスタートしたらいきなりシューティングが始まるオープニング。序盤からピンチに次ぐピンチ。そして何より、プレイヤーを戸惑わせる視点の変化。

niera013.jpg
通常時はよくある三人称視点。2Bの後ろ姿が美しい。

niera012.jpg
ところが、場所によってはサイドビューに変わる。キャラも小さくなって昔のゲームみたいだ。

niera011.jpg
そうかと思うといきなりトップビューになる。2Bと9Sの見分けがつかない!

 前作でも同じことをやってはいるのだが、「ニーア オートマタ」では、よりシームレスに視点変更を実現しており、技術的な進歩が感じられる。これは期待できそうだ。
posted by Dr.K at 23:45| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月01日

「レベル41! 乃々を探せ!」の研究レポート

nonono1.jpg
 待ってましたのデレステ恒例、エイプリルフール企画。今年は乃々を主役とした内容。
 絵本の世界を舞台にした寸劇を楽しみつつ、合間にマインスイーパーのようなゲームをプレイする。正攻法で解こうとすると苦しいが、各キャラのスキルを活用するとだいぶ簡単になる。すべてのステージをクリアすると乃々が見つかるという塩梅。

nonono2.jpg
 クリアすると見られるスペシャルMVが興味深い。書き割りの背景と、3Dのキャラという組み合わせなのだが、いつもの音ゲーとはモーションがかなり異なる。躍らせるのではなく、舞台劇よろしく演技をさせているのだ。
 今後は、曲によっては物語性に富んだMVが作られる可能性がある。楽しみだ。
posted by Dr.K at 23:33| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月31日

GCC2019:感情から逆算するゲームデザイン

 先日は、GCC(ゲーム・クリエイターズ・カンファレンス)に行ってきました。大阪で年一回開かれている、ゲーム開発の勉強会です。

 今年のお目当ては、カプコンによる講演で、最新作「デビルメイクライ5」の事例を通じて、感情から逆算するゲームデザイン作法を解説するというものです。
 内容は、サンフランシスコで開催されたGDCと同じ。ただしこちらは日本語版で完全版です。アメリカまで行く手間が省けたじゃねえか、ありがてえありがてえ。


 さて、講演の内容はリンクを見ていただくこととして、以下は感想です。
 ゲーム開発というと、どうしてもCGやらプログラムやら、技術的なトピックが前に出がちです。それは専門学校の学生でも同じで、技術のみを学んだ結果、一応ゲームの形を成してはいるが、何も伝わってこない作品が珍しくありません。原因は簡単、そもそも伝えたいことがないのです。
 「感情から逆算するゲームデザイン」は、まずユーザーに伝えたい感情が先にあり、そのためにゲームをどう作るか、という方法論でした。「デビルメイクライ5」のような、大企業の洗練されたプロダクトに見えるものが、昔ながらの泥臭い思考実験の果てに作られたと知るのは、なんとも愉快。これはぜひとも学生に伝えねばなりますまい。

 愉快といえば、ディレクターの伊津野氏は、本当に面白く話しますね。「面白くない企画マンは生き残れない」というカプコンの伝統は、25年経っても変わらないようです。プロデューサーのマシュー・ウォーカー氏に至ってはアメリカ人なのにすっかり芸人化しており、ジョークを飛ばすわ観客をいじるわでやりたい放題です。
 未プレイのため、壮大なネタバレを食らってしまいましたが、「デビルメイクライ5」、今度プレイしてみようと思います。
posted by Dr.K at 21:56| Comment(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月27日

宇宙イカ革命「Splatoon2」 その20

spla2201.jpg
 騎士vs魔法使いのフェスは、インクの色がなかなかよろしい。

 さて、先日のフェスは、タコシリーズのamiiboと連動しており、該当者は特別な外見でフェスに参加することができた。ところが、プレイした感じ、騎士や魔法使いはほとんど見かけなかった。amiiboを買った人が少なかったのか、あるいはamiiboの発売から日が経っているのでこのフェスへの参加者が少なかったのか、原因は定かでないが、盛り上がらないのは残念に思う。

 先月から、Switchのゲームニュースコーナーで、「週刊ギアパワー豆知識」の配信が始まった。ただの読み物ではなく、ギアパワーのかけらがもらえるので、スロットに望んだギアパワーがそろわないプレイヤーには朗報である。しかし、これは一種のログインボーナスであり、スマホゲームでもないのに週刊的いや違った習慣的なプレイを強要されるのは嫌で、これまた残念に思う。
posted by Dr.K at 23:26| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月24日

スパイダーマン: スパイダーバース

 アカデミー賞長編アニメ部門受賞作。まあ、「未来のミライ」が獲るとは思ってなかったけど、ディズニーを押しのけるほどとは、どんなもんかと思い、観に行った。納得である。CGアニメにはまだ表現の開拓の余地があったのだなあ、と感心。でも悔しいので以下は文句ばかり書く

続きを読む
posted by Dr.K at 23:57| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月23日

「どろろ」第九話 無残帳の巻

drr091.jpg
 声が戻ったものの、片言でしかしゃべれない百鬼丸。おそらく、どろろの言葉を聞いて、だんだん話せるようになっている。そのことをどろろスピードラーニングと名付けた奴、やめなさい(笑)

 オリジナルエピソードをいくつか挟み、待ってました、第九話はどろろの生い立ちを語る「無残帳」。キャラクターデザインは原作から大幅変更、火袋もイタチもリファインされてやたらかっこいい。
 しかしながら内容は原作に非常に忠実。「火袋がずた袋になっちまった」「槍ってものはこう使うんだ」「曼殊沙華はどうして血の色をしているんだろう」など、印象的なセリフもそのままに、名場面が展開する。母がおかゆを素手に盛る場面は、ジョジョの「スティールボールラン」を思い出した人も多いようだが、原点はこちらだ。
 今回のアニメでは、どろろが熱で倒れたことにより、この回想場面に入った。そのため、原作にあった雄大な場面転換のビジュアルが使われなかったのだが、代わりにオープニングの一部になっている。空を覆う馬が野盗の襲撃場面につながる見事なコマ運びを、ぜひ動く絵で見たかったのだが。
drr092.jpg
posted by Dr.K at 14:07| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月21日

ハード争ってる場合じゃねぇ! Googleが「STADIA」を発表


 米サンフランシスコで開催中のGDCにて、Googleが新しいゲームプラットフォームを発表した。新ハードではなく、クラウドゲーミングサービスの一種なのだが、未来を行き過ぎていて今年から試験運用が始まるとはとても信じられない。

 かつてPS4を初めて触ったとき、私はShareボタンの機能に感心した。PCがなくても、プレイ中のゲームを簡単に動画配信できる。便利だなあ、これでますますプレイ動画が流行るなあ。
 ところが、「STADIA」はその逆。YouTubeの動画からクリック一つでそのゲームを遊べる。クラウドなのでダウンロード不要、ゲーム機も不要である。手軽過ぎて恐ろしい。
 これが普及すると、もはやゲーム機はいらない。ゲーミングPCもいらない。そしてもちろんパッケージ販売もなくなる。ハードとソフトを購入する必要があるのは、対戦ゲームなど即応性にこだわった一部のゲームだけになっていくかもしれない。任天堂やソニーはもちろん、STEAMもEpicGamesも商売あがったりである。

 とはいえ、いまだ日本でのサービスは未定。気になる価格も未発表。ハイエンドのゲームを動かすとなると、運営側も相当コストがかかると思われ、スマホアプリのようになんでも基本無料、とはいくまい。欧米での試験運用の結果に注目していきたい。



posted by Dr.K at 12:19| Comment(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月16日

諸星大二郎「オリオンラジオの夜」

orionradio.jpg 昔のヒット曲を起点に、縦横に想像をめぐらせた短編集。これは傑作です。「ぼくとフリオと校庭で」の頃と全く遜色がない。

 やはり自由に描いた時の諸星大二郎は最強ですね。特にまとまりやルールを決めるわけでもなく、一つ一つ、興味の赴くままに綴られているのですが、エッセイやら日常やらとは無縁。昭和の風景とラジオの曲、そして諸星作品ならではの不思議世界が三位一体となり、唯一無二の個性を放っています。
 今、唯一無二と言いましたが、諸星作品を読み慣れていると、過去の作品のあんな場面、こんな場面が何度も思い浮かびます。つまり同じモチーフが繰り返されているわけですが、ネタ切れなどとはあまり思いません。有名なバンドがいつもの曲調で新曲をリリースしてくれるような、信頼の諸星印と感じます。

 ところで、「西暦2525年」の演出で、一部の絵がモザイク処理されているのですが、アシスタントはほぼ使わないと言われている諸星先生、ついにデジタル入稿を始めたのでしょうか?
posted by Dr.K at 19:23| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする