2020年04月13日

謎の会社が有名ゲームを作る

 有名シリーズの新作に、知名度の低い開発会社が起用されていると心配になりませんか? 最近そういうものが目立つので、ちょっと調べてみました。

 「RE:3」が出たところなのに、気が早いにもほどがあるわ! という飛ばし記事。
 カプコン社内のチームで開発され、予想外の大ヒットとなった「RE:2」でしたが、間を置かずにリリースされた「RE:3」は、外注で作られました。担当したのはM-Two。三並達也が設立した新会社とのことですが、バイオハザードシリーズの元プロデューサーですから、古巣に帰った感じもあります。
 三並達也と言えば、プラチナゲームズの創業者です。数年前に社長が変わり、何があったのかと思ったのですが、新しく起業していたのですね。社名は、三並と三上でM-Twoなのかもしれませんが、レトロゲームの移植で知られるM2(エムツー)と紛らわしいです。

 新作が出るのは喜ばしいですが、このタイトルだと、「ブレイブリーセカンド」はどうなるの?
 開発担当は、クレイテックワークス。設立してから2年経っていない新しい会社です。こんな無名の会社で大丈夫か、例えば「オクトパストラベラー」のアクワイアで良かったのでは、などと心配するファンもいるかもしれません。
 でもご安心ください。以前、「ブレイブリーデフォルト」を開発したシリコンスタジオは、ゲーム開発部門を閉めてしまいました。そのスタッフが設立したのがクレイテックワークスなのです。かつてのスタッフの多くが在籍していますので、作風は保たれることでしょう。

 「ニーア レプリカント」のバージョンアップ版がPS4で登場。「ニーア」10周年のイベントで発表されました。
 こちらの開発は、トイロジック。「ドラゴンクエストXI」等の実績のある会社ですが、「ニーア オートマタ」を成功させたプラチナゲームズじゃないんだ、と意外に思った人も多かったのでは。
 元の「ニーア レプリカント」を作ったキャビアは、AQインタラクティブに吸収され、AQインタラクティブはマーベラスAQLに吸収され、現在はマーベラスと名乗っています。いや〜ややこしい。そしてその間、「ニーア」のスタッフの多くはトイロジックへ移籍していたのですね。ですから、きちんと元のスタッフが関わっています。

 という訳で、いずれも開発を任されるだけの理由がある企業だとわかりました。完成を楽しみに待ちたいと思います。
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2020年04月11日

サーホー その2

 アクションゲームで、道中のザコ戦に歯ごたえがあり過ぎて、ボス戦が始まるまでに疲れちゃってる、なんてことがたまにある。「サーホー」はまさにそんな感じ。

 冒頭、ロイ・グループの説明が速い(笑) 「バーフバリ 王の凱旋」の上映時に、「伝説誕生」を5分にまとめたダイジェストが流されたが、それに匹敵する情報量だ。力のあるマフィアなのだな、と思ったところでボスがあっさり暗殺される。
 一方、ムンバイでは、警察が謎の窃盗団に手を焼いていた。その捜査に指名されたのが主人公のアショーク。ゴロツキの巣窟を一人で制圧する格闘術、現場を見ただけで事件の真相がわかる洞察力を持つスーパーマンだ。一方で、好みだからという理由で(?)アムリタをチームに入れ、モーションをかけまくる軟派野郎でもある。いつの間に「シティーハンター」がインドで実写化されたんだろう、言っちゃあ何だがよくある話だ。
 しかし、捜査も大詰めとなったところで、大どんでん返し! 唖然としたところでタイトル! もう1時間以上経っているぞ。

 そこからは加速する一方。ストーリーは二転三転し、今こいつ味方だっけ? 敵だっけ? と混乱することもしばしば。これは何度か観ないと理解できそうにない。アクションシーンも極まっており、趣味のスカイダイビングのエクストリームっぷりには狂気しか感じない。そして、シチュエーションを次々に変えて盛り込まれる戦い、そして戦い。クライマックスまでに観客のほとんどが息切れしてしまう凄まじさだ。
 マフィアの抗争を扱った作品だと、悲劇的な結末に終わるものも多いが、「サーホー」の勢いは止まらない。観客は、近未来に蘇った「バーフバリ」を称え続けるしかない。王を称えよ、未来でも称えよ。

圧倒的カリスマ 10
圧倒的アクション 10
圧倒的強引さ 10
個人的総合 8

他の方の「サーホー」レビュー
アジア映画巡礼:ダンスシーンのムービーを紹介いただいてます
Machinakaの日記:ネタバレあり感想。マイケル・ベイ3本分(笑)
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2020年04月07日

PCエンジンminiで「天外魔境U」

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「我が道に敵なーし!」

 休日なのに外出もできませんので、超大作と名高いこのRPGに手を出しました。PCエンジンはもとより、移植版もプレイしたことがありませんので、これが初挑戦となります。
 驚きました。最近のゲームに負けてないどころか、むしろ口に合うじゃないですか。さすがにグラフィックは古臭いのですが、それ以外は全然いけてます。
 まず戦闘がいい。「ドラクエ2」くらいのシンプルなシステムで、一戦闘が数秒で終わります。PCエンジンminiでは、CDの読み込み時間がないのでますます快適。昔のゲームらしく、しっかりレベル上げをする必要があるバランスなのですが、このテンポなので苦になりません。
 次に世界観。「ドラクエ」や「FF」が西洋ファンタジーをベースにしているので、こちらは日本を舞台にして差別化しています。各地の伝統文化がきちんと生かされていて、作り手の教養を感じさせます。後に「サクラ大戦」を作った広井王子、「俺屍」を作った桝田省治が関わってますからね、さすがです。
 そして、ストーリーが抜群に面白いです。深刻になったりコミカルになったり、振れ幅が大きく表現力豊か。ドット絵が抽象的なのをいいことに、恐ろしい描写を突っ込んでくるのもなかなかです。
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敵も実に個性豊か。カブキVS菊五郎とか最高ですね。また、全体にセリフ回しがなんとも味わい深いです。ちょっとヒントをくれるだけの村人でさえいい感じの奴がたくさんいます。
 こんなに隅々までちゃんと作ってあるゲーム、今もなかなかないですよ。
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2020年04月05日

サーホー その1

 いつの日か、この作品で満員の映画館が沸くのを見たい。心からそう思う。

 「サーホー」は、「バーフバリ」のプラバースが主演するインド映画。近未来都市ワージーを舞台に、マフィアのロイ・グループの跡目争い、それにともなう莫大な財をめぐっての攻防が描かれる。
 3時間にわたる怒涛の映像は、どこを切り取っても演出過剰。一度ではとても書ききれないので、今回は恋愛パートについてとりあげる。

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2020年04月01日

アイドルマスターエイプリルフールズ

 過去に経験のない、非日常的な状況での新年度となりました。こんな時だからこそ、いつも通りエイプリルフール企画を敢行してくれるゲームが本当にありがたいです。

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2020年03月29日

1917 命をかけた伝令

 良い映画だということは伝わるんだけど、なんだかのれない。多くの映画を観ていると、たまにこういうことがある。

 第一次世界大戦のイギリス軍、主人公の青年は、前線に攻撃中止の文書を伝えるよう命じられる。この伝令兵を観客にリアルに体験させる、というのが作品の方針である。
 カメラが主人公を追い続けるワンカット風撮影で、主人公が見聞きしない状況は一切説明されない。主人公に無名の俳優を起用し、キャラクター性を想起させない。この伝令の活躍は史実ではないが、ドキュメンタリー風の抑えた演出がさらなるリアリティを醸し出す。

 まず、ワンカット風の映像だが、メイキングを見ると確かにすごい。ただ、CGと比べては申し訳ないが、戦争もののゲームであれば似たような見せ方のものはあるし、自ら操作している分没入感も強い。三人称の全編ワンカットということであれば、PS4の「GOD OF WAR」もやっていて、素晴らしい効果を上げていた。ワンカット風の映画と言えば、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」もそうなのだが、あちらは、バトンタッチのように被写体をリレーしていく遊び心のある使い方だった。
 そして、主人公の視野のみで説明され、戦況を俯瞰しない物語は、「ダンケルク」と共通する。ただし、ダンケルクは陸海空それぞれの主人公がおり、それらが集約されることでクライマックスが盛り上がる。「1917」の方がはるかにストイックだ。

 結局のところ、私はストーリーラインのハッキリした、娯楽作品の方を好むということらしい。

劇場向け 10
撮影技術 10
風景美 8
個人的総合 5

他の方の注目すべきレビュー
三角締めでつかまえて:「地獄めぐりライド映画」とはよくぞ言った!
モンキー的映画のススメ:撮影が気になって没入してない! 確かに…
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2020年03月28日

父親が殺人犯のドラマ2態

 今期のドラマは、「テセウスの船」と「知らなくていいコト」を観た。どういうわけか、両方とも父親に殺人の疑いがかかっているという物語で、偶然にもほどがある。

●テセウスの船
 田村心(竹内涼真)は、殺人犯の息子として苦難の人生を送ってきたが、妻の死をきっかけに事件の現場を訪れ、タイムスリップ。そこで出会った若き日の父、佐野文吾(鈴木亮平)は、正義感にあふれた警察官だった…
 はじめは、鈴木亮平の渾身の父親演技もあって、「流星ワゴン」みたいな感動ものになるのか、と思ったら全く違った。
 その実態は、真犯人探しで視聴者を釣りまくるあざといドラマ。毎週、怪しい奴が出ては消される展開で、親子のうろたえぶりが不憫であった。本当は善良なはずの村人に、ミスリードのため怪しい態度をさせまくる脚本が姑息。とはいえ、最終回のラスト10分まで真犯人を明かさない徹底ぶりは天晴で、視聴率的には大成功をおさめた。だが個人的には、「ギルティ」以来の肩透かしな結末だった。
 失意の視聴者たちを、わずか1分の登場で和ませたハライチ澤部の功績は大。

●知らなくていいコト
 真壁ケイト(吉高由里子)は、ゴシップ誌の記者。恋も仕事も順調だったが、母の死をきっかけに、自分の父親が殺人犯、乃十阿徹(小林薫)であることが判明する。
 検事になったり、Webデザイナーになったりと、お仕事ドラマに引っ張りだこの吉高。このドラマも軽いタッチのストーリーなんだろう、と思っていたら全然違う。
 ケイトは、次々に異なる事件を追うが、それらが自分の身の上につながってくる。不倫のゴシップを追ったときには、自らも尾高(柄本佑)と不倫の関係になりつつあったし、黙秘する殺人犯の取材では、乃十阿はどうだったのかと思いを巡らせる。そして、ケイトの素性が他誌に暴露されることで、追う側から追われる側に状況が反転。苦境の中、周囲の協力で、父の事件の真相をスクープする記事を書き上げる。予想外に重いタッチの本格派だ。
 最終回、尾高(柄本佑)との不倫の恋は結ばれず、記事も社長の圧力で載ることなく終わる。なんともビターな結末となった。タイトルが指す内容が変化するのもお見事。
 ところで、尾高の行動がイケメン過ぎたために、結果にがっかりした人が多いようだ。最終回直後から、ディスクを買うのやめます、発言が相次いでいるが、恋愛ドラマにしては社会派過ぎたということだろうか。
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2020年03月24日

「映像研には手を出すな!」第12話 芝浜UFO大戦!

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 トラブルを乗り越えて完成した「芝浜UFO大戦」は、即売会で完売。「まだまだ改善の余地ばかりだ」と、浅草は新作の構想にとりかかる。

 最終回の後半を、「芝浜UFO大戦」のお披露目にあてるという思い切った構成。原作から逸脱し、作中作が予想外の出来となったことで、賛否が起こっている。自分が、これを「良い」と思える側であることを幸せに思う。
 出来たものが素晴らしかった、と伝えるだけならこんなに中身を見せる必要はない。感心している視聴者の反応を混ぜれば十分だ。だが、そんな平凡なサクセスストーリーは〈映像研〉には要らない。湯浅監督は、あえて中身を見せることで、私たちをDVDの購入者と同じ立場にしてみせた。
 「芝浜UFO大戦」は、一言で言うとなんだかよくわからないすげえアニメだ。先週までに積み上げられた、浅草の込み入った設定、水崎のこだわった動画が見事に形になっている。反面、ストーリーははっきり伝わらず、ご当地アニメとしても機能していない。このことが賛否を呼んでいるわけだが、否定する側の人は、既存の平凡なものに毒され過ぎてはいないか。わかりやすいストーリーや、ちゃんと宣伝になるご当地アニメなんて、プロがいくらでも作ってるだろう。〈映像研〉の連中はそんなものを作らない。アマチュアとして自分たちの情熱を優先して作った結果がこれなのだ。
 …という大義で、普通のアニメではめったに見られない動きを盛り込んでくる湯浅監督はなかなかしたたかだ。刺激を受けているアニメーターも多いんじゃないか。
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2020年03月22日

PCエンジンminiで「スナッチャー」

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 このために買ったPCエンジンminiだもの、もちろんプレイしますよ! 起動すると、CDがキュルキュル音を立てるという演出は、読み込み不良を想起させて心配になりますが(笑)

 「スナッチャー」は、古式ゆかしい選択肢式アドベンチャーゲーム。要所要所でアニメーションや音声が追加され、豪華にはなっているのですが、最終章の追加以外はPC-88版と同じ内容のようです。何もかも懐かしい。オープニングの風景が、あまりにも「ブレードランナー」で笑ってしまいます。30年前の私は「ブレードランナー」を見てなかったので、気づいていなかったんですね。
 そして、小島監督らしさを再確認。最初の任務で、敵に時限爆弾を仕掛けられるのですが、サポート担当のメタルギアから、テレビのボリュームを上げるよう言われます。言われたとおりにすると、カチカチ聞こえてきて、爆弾を見つけることになります。
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で、ドカーン、と。ボリュームを上げているので大音量となり、あわてて戻すことになります。プレイヤーの行動を予期したいたずらが面白いですよね。小島監督、「メタルギアソリッド」のサイコマンティス戦より先に、こういうことやってたのか、とちょっと感心。
 今どきのゲームと違って、フラグがガチガチの総当たり戦なので、だいぶ面倒ではありますが、後半へ向けてのストーリーの盛り上がりはいささかも古びません。30年ぶりに、88版では見られなかった結末を目指します。
posted by Dr.K at 19:22| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月21日

私が「血と汗とピクセル 大ヒットゲーム開発者たちの激戦記」を買った理由

chitoaseto.jpg なんとも物騒な題をつけたものだ。「血と汗とピクセル」は、海外のゲーム開発を取材したノンフィクション。「アンチャーテッド4」や「ウィッチャー3」、「デスティニー」といったタイトルが取り上げられている。

 この本を買ったきっかけは、一本の記事だった。


 海外の方が企業はホワイト、というイメージがあったので驚いた。
 そして、なんだか非常になつかしい気持ちになった。なぜなら、かつて日本のゲーム会社もこんな感じだったからだ。決して褒められた働き方ではない。ただ、天才でもない開発者が〈すごいゲーム〉を生むためには、この方法しかなかったのかな、とは思う。私の上司が、若い企画屋が辞めていくことを〈自然淘汰〉と言ってはばからなかったのを思い出す。
 それからウン十年、日本の方が働き方改革が進み、いつのまにか立場が逆転したのかもしれない。

 さて、この記事で感心したのが、視点の公平性。
 こういう題材では、ライターの立場が重要だ。辞めたスタッフの視点に立てば、企業を糾弾するような内容になるし、企業側に立てば、過酷な開発を乗り越えた美談は、宣伝記事になってしまう。
 記事を担当したジェイソン・シュライアーは、そのどちらにもならず、双方への取材から冷静に状況を分析しようとする。なかなかできることではない。

 そのジェイソン・シュライアーの既刊が「血と汗とピクセル」だったというわけ。「アンチャーテッド4」の章を読むと、今回問題続出の「ラスト・オブ・アス パート2」もなんとかなるんじゃないか、と思えてくる。
posted by Dr.K at 13:26| Comment(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする