捕虜となったシタラは、はるばるモンゴルまで連行される。通訳のシラの提案で、シタラは第四皇子トルイの妃、ソルコクタニに仕えることになる。妃の手元には、亡き家族から奪われた「原論」があった!
「天幕のジャードゥーガル」が面白い。私はモンゴルのことなどほぼ知らないが、それはイランで育ったシタラも同じこと。彼女が復讐のために学ぶのと一緒に、視聴者もモンゴルを知っていくという流れが秀逸だ。
学ぶためには、物事をフラットに見る必要がある。シタラは憎しみを脇に置き、ひとまずモンゴルを知ろうとする。その態度は物語全体にも通底しており、侵略者であるモンゴルを悪と決めつけて描いていないのが素晴らしい。歴史上の出来事を、現代の価値観で評価しようとするのは愚かの極み。当時の事を描くなら当時の価値観で描かなければフェアではない。
第一幕のイラン編について、奴隷制だなんて、と抵抗感をあらわにした感想を見たが、実に不憫。奴隷が悪いものになったのは現代の事であって、奴隷制が当たり前の時代と場所で、彼らはただ不幸せなわけではない。それどころか、イスラムの教えに従って、奴隷にも教育が意識されていた。こういう、今とは違う価値観を教えてくれる作品は貴重。
そして、価値観の違いが物語にどう影響していくのか。今後にも大いに期待したい。

